bizSPA!

売上高が3倍…ラウンドワンが絶好調。アメリカで支持された意外な背景

ビジネス

米国では「パーティ会場」需要が

 2020/3期は売上が30億円程度増え、同社の過去最高を記録しました。国内では既存店舗についてスポッチャ併設型店舗への改装を進めたほか、カラオケについては最新機種を導入することで集客に努めました。しかし、さすがに3月はコロナの影響が出たようです。

 米国事業については事業拡大のために店舗数を増やし、32→41店舗体制になりました。認知度向上を目的としてテレビCMを放映し、一部店舗ではハードリカーの提供を開始しました。

 米国の店舗にもボウリング場は設置されていますが、現地では日本のクレーンゲームや「太鼓の達人」が人気のようです。また、食べ放題や飲酒を目的として来客する人も多く、パーティ会場として使われることもあります

2021年期はコロナの影響で赤字に転落

ボウリング

 翌2021/3期はコロナの影響が出ました。国内では2020年4月より全店舗で臨時休業を実施し、6月から全店舗で再開しましたが、外出控えから客足が遠のきました。学生向けの割引を実施するも、ボウリング事業では42%、アミューズメントは27%の減収となっています

 米国事業も同様に3月から休業しました。その後は順次再開するも2021/3期末時点で依然11店舗が休業した状態です。全社売上高は4割近く減少し、赤字に転落しました。なお、財政面では長期借入金の資金調達には成功しており、短期での資金繰りは問題ないようです。長期借入金は前年比で158億円→576億円へと膨らんでいます。

 2022/3期は、国内ではオンラインクレーンゲーム「クレッチャ」のサービスを開始し、人気漫画『呪術廻戦』とのコラボも実施しましたが、コロナ以前の水準には到達しませんでした。コロナ以前は国内売上850億円程度でしたが、2022/3期は637億円にとどまっています。

おすすめ記事