今日ももぐらは遅刻!空気階段が語る、原点は「ドキュメンタリー」
コントのキャラは仲のいい人の集合体
──かつてインタビューで、「コントやキャラクターは日常に即して生まれる」とおっしゃっていて。生活が変わると、コントの毛色も変わるんでしょうか。
鈴木:そんなこと言ってましたっけ? 今までの人生に関わってもらった人たちが無意識に出る、ということを言ったんだと思うんですよ。コアの部分は今からどこに行こうが変わらないわけで、これまで関わりがなかった人との交流がそこにのっかるんじゃないか。どんなふうになるのかは考えてやってるわけじゃないのでわからないですけど。
──ラジオで、もぐらさんがお子さんと水泳教室に行ったというお話を聞いたときは、感慨深かったです。これからは“ベビースイミングの先生”みたいなキャラクターが登場したり?
鈴木:ラジオを始めたばっかりの5年前の僕だと絶対に出会わなかった人ですよね。保母さんとか園長先生とか、ママ友、パパ友とか。そういう方と出会って話をしていくなかで、コントが変わっていくとは思います。でも、あんまり嫌いな人がコントに登場することはない。ツラい気持ちを思い出すから、嫌なことをされた人は反映されない。
なので、コントに出てくるキャラクターは、安居酒屋にいた個性の強い常連客や、バイト先の怖いけど人情に厚い社長だったり、そういう僕が仲いい人の集合体だと思ってください。
DVDを見て、興味を持って劇場に来てほしい
──今後、コント師としてやりたい設定はありますか?
水川:CMの撮影現場とか。わからないままでは作れませんでしたが、どういう手順で、どういう役割の人たちがいるというのが出演することが増えてわかりました。大人がたくさんいるような設定は、今なら台本を書けるかもしれません。
鈴木:でも、そうなると“その人たち向け”になっちゃうんですよね、どうしても。知らないことでコントされてもわからないというか。その人たちを接待するみたいな、接待コントは作れる感じになりましたね(笑)。どこがボケになっているか、お客さんからしたらわからない。
水川:僕らとしては「わかる人だけわかればいいや」みたいな感覚はなくて、お客さんが置いてけぼりになるようなコントを作っているつもりもないんです。だから、DVD『fart』は16歳以上の全国民に手に取っていただきたいですね。
鈴木:ちょっと中高生には、お見せしづらいものもあるのでね。『SPA!』読者にこそ、見ていただきたい。そのまま『SPA!』と一緒に手に取ってもらうといいんじゃないでしょうか。
水川:単独公演のDVDを出したいというのはずっとあって。今まで僕らを見たことない人でも、DVDを見て興味を持って、劇場に来てくれたらいいですし。僕はそういうお笑いのDVDをたくさん見てきたので、自分たちのライブDVDがそのうちの一本になるのはうれしいです。