休日にも届く上司からのLINEで「うつ病寸前」に。25歳メーカー社員の悩み
食欲もなくなって軽いうつ状態に
ここ数か月は休日になるとどっと疲れが出て、何もやる気が起きなくなってしまった河本さん。眠りも浅くて、食欲も落ち、軽いうつのような状態でした。そんなある日、課長Kさんよりさらに上の部長とたまたま2人きりになるタイミングがあり、河本さんは勢いに任せて「退職したい」と伝えてしまいます。
「本来なら直属の上司である課長に言うべき内容なのに、正常な思考もできなくなって、ポロッと話してしまったんですよね。でも部長は僕を見て、すぐに詳しく聞かせてほしいと、退職理由などを尋ねてくれました。その優しさが嬉しくて、つい本音で『KさんとのLINEがしんどい』と言ってしまったんです」
これまでの経緯を話しLINEのやり取りを見せると、部長は少し考えて「退職を待って欲しい」「すぐに対応するのでそれまで休暇をとってゆっくりするように」と言ってくれ、その日から河本さんは会社を休むことになったのです。
「休暇中は一度もKさんからのLINEが来ることなく、久々に会社のことを考えずにゆっくりできました。十分に食事や睡眠が取れるようになって頭がスッキリして来た頃に、ちょうど部長から一度会社に来てほしいと連絡が来たんです」
そして会社の対応は…
会社では会議室に通され、そこで待っていた部長と副部長の2人から「ストレスを与えるようなことを見過ごしていて申し訳ない」と謝罪された河本さん。そして調査をしてKさんが多くの社員とプライベートなLINEをしていた事実を把握したこと、そしてこれからの処遇について伝えられました。
「結局、Kさんはこれまで問題を起こしたこともなく社員からの信頼も厚いことや、今回の件もパワハラなどに該当するような内容が送られていたわけではないということで、会社的に直ちに処罰を与えるようなことはできないとの判断でした。僕はKさんを処分してほしかったわけではなかったので、これを聞いて正直ほっとしました」
さらに部長は言葉を続け、今回のようなことで河本さんを退職させるのは申し訳ないこと、そして今働いている部署から少し離れた場所にある支社に異動して、そこで働いてくれないかと提案してくれたのです。実は転職に不安があった河本さんは、この提案を二つ返事でOKしました。
「それからすぐに支社に移動して、今は楽しく働いています。ただ今回のことはKさんがいい人だったからこそ僕も考えすぎてしまった部分が大きかったので、なんだか申し訳ないと感じています。とにかくすぐに対応してくれた会社には感謝しかないので、これからしっかり働いて恩返ししていきたいです」
<TEXT/つる>