ヨン様のCMは「センセーショナルな出来事」。眼鏡市場の2代目が語る“帝王学”
“ヨン様”のテレビCMが飛躍のきっかけに
「眼鏡市場」の認知度向上やブランドバリューを大きく高める原動力になったのは、2007年4月より約3年間放映された韓国の俳優であるペ・ヨンジュン氏を起用したテレビCMだ。当時は女性を中心に絶大な人気を誇り、「ヨン様ブーム」を巻き起こしていた“微笑みの貴公子”を広告塔に据えたことで、メガネトップの事業拡大に大きく貢献したという。
「屋号が『メガネトップ』の頃は、今ほどテレビCMを大体的にやってこなかったのですが、眼鏡市場へリニューアルするタイミングで、チラシ中心の広告では限界があると感じ、マスにリーチできるテレビCMを検討しました。その頃、ちょうどペ・ヨンジュンさんの人気が絶頂だったこともあり、眼鏡市場のアイコンとしてぜひオファーしたい。
そう思い、キャスティングを行いました。思い切った出稿量でもあったことから、お客様が『韓国企業が買収して生まれ変わった?』と勘違いしてしまうくらい、センセーショナルな出来事だったと思います」
半医半商を体現しているのが差別化要因に
しかし、2010年代から同社を猛追しているのが「メガネチェーン新御三家」と呼ばれるJINS、Zoff、オンデーズだ。メガネの企画から製造、販売まで一挙に行うSPA方式を採用したことで、低価格やファッション性に富んだ商品を市場に投入している。
こうした競合他社に対して、冨澤氏は「半医半商(半分は医療・半分は商売)の精神を大切に、お客様の眼の『不』を解消できるように心がけている」と説く。
「問診を通して、お客様のあらゆる課題を丁寧にヒアリングし、メガネという視力矯正の道具を提供するのが我々の基本的なミッションです。そこに、カラーバリエーションやファッション性を付与し、TPOに応じてかけ替えもできるような商品ラインナップを用意する。半医半商を体現するには、商品の品質向上も大切ですが、人材育成が何より大事だと考えています。
屋号が『メガネトップ』の時代から、店舗拡大よりもまずは人材教育を強化するための研修センターへ投資を積極的に行いました。親切で丁寧な対応を心がけることや、理想の見え方に対して最適なメガネを処方していく力量を養っていくことが、メガネトップの強みになり、ひいては差別化につながる。そう捉えて人材育成に注力してきました」