腰を痛めて失職した29歳女性…人生のドン底で出会った「迷い猫」が教えてくれたこと
コロナ禍で家にいる時間が長くなり、ペット需要が高まっているそうです。ペットと暮らす生活には憧れますが、一人暮らしだと住んでいる家の問題や、ペットフードなどの飼育費用を考えると諦めてしまう人もいるかもしれません。
もちろん生き物なので大変なこともたくさんありますが、ペットと暮らすことで何気ない日常が幸せになるケースもあります。
椎間板ヘルニアで歩けなくなり退職
ウェブサイトやチラシなどでイラストを描いているイラストレーターの斎藤弓香さん(仮名・29歳)は、猫と暮らし始めて5年目。家族のように大切だという飼い猫と出会ったときは、人生でどん底の時期だったそうです。
「その頃は、CMの絵コンテを描く制作会社に勤めていました。毎晩、深夜まで働いていて座りっぱなし。腰が痛いのを放置していたら悪化し、あるとき、歩けなくなって病院に行くと、椎間板ヘルニアと診断され、手術することになりました」
20代は、仕事ではつい無理をしてしまうのは仕方ないことかもしれません。しかし、弓香さんが勤めていた会社は、長期で休むと代わりがいないような労働環境だったため、退職を選びました。
リハビリの散歩中、腰の曲がった黒猫と遭遇
「手術したばかりで仕事もお金もない。途方に暮れて、よく夕方ごろに家の近所を散歩していました。ちょうど療養期間だったので、リハビリも兼ねていました。すると、腰が少し曲がっている黒猫の子猫がこっちに向かって走ってきたんです。後ろを見ると、小学生に追いかけられていて、思わず猫を保護しました」
黒猫には首輪などはなく、野良猫でした。
「私に向かって逃げるようにやってきて、また『にゃーにゃー』と泣き始めたので、家に連れて帰ることにしました」
猫は怪我をしていたので、弓香さんは動物病院に連れて行きました。
「脚を隠すように痛がったので病院に連れていくと、交通事故で折れた足の骨が腿の筋肉に刺さって固まってしまっていたようでした」