新入社員がいきなり親に借金。「出張するたび貧乏になる」その訳とは
集金に失敗し、自腹を切るハメに
賢人さんはさらに続けます。
「親に借金をしていることを同期に相談したら、何人かの同期も親に借金をしていることがわかりました。だから、新人とはそういうものだと思ってしばらく耐えていました……」
いやいや違います、とつい言いたくなってしまいます。
「先輩に『お金を返してください』と言いにくいので、ずるずると立替えたままになっていたのですが、親にお金を借り続けるわけにもいかず、僕は1年かけてなんとか回収をしました。でも、集金がうまくいかずそのまま闇に葬られて自腹をきった同期もいました」
なぜ他人の出張の手配をした挙句、お金まで払わなくてはならないのか聞いていると腹立たしい気持ちになります。
先輩がぶちぎれて目が覚めた
賢人さんは、どうやって立替えたお金を回収したのでしょうか。
「別のチームの先輩に『実は親に借金をしてて』と話したら、『なんで!?』となり、おおごとになりました。その先輩が『新人に多額のお金の負担をさせるなんておかしい』と怒り、うちの課長に訴えてくれたんです」
なんとも頼もしい先輩です。
「それで、出張の手配を新人がするという風習はなくなりました。飲み会の幹事を新人がするときは、事前にお金を徴収することも決まり、それでもお金を払わない人がいたら『打ち上げ代の〇〇〇〇円を払ってください』と、一斉メールで本人に督促するというルールができたんです」