ゴミを拾ったら「死ね」。高田馬場の“シンボル”を守る学生団体の苦悩と現実
缶、ビン、タバコ以外にも意外なゴミが
──実際にはどのくらいの数のゴミが捨てられているのでしょう。
新井:空き缶400個、タバコ1200本、ビン50本、ペットボトル40本が最多です。他にも変わったゴミが落ちていることもあります。ベビーカーや人糞、コンドームなどには驚きました。ニット帽など、誰かが取りに来るかもしれないものは交番に預けているのですが、あまりに頻繁に交番に持っていくので、「持ってこないで」と先日言われました。高田馬場駅前交番は大怪我をする人などがいない限り、ロータリーに出動することは基本的にないので。
──警察には動いてほしいと思いますか?
新井:思わないですね。自治の力で解決することが理想です。ただ、現実はそう上手くはいきません。ポイ捨ては法律違反にあたると思いますし、システム上、もう少し気にかけてくれてもよいのでは、と思います。授業の一環で採ったアンケートや、地域の方との意見交流でも、自治体や駅前交番の対応に関する批判の声はありました。
清掃中、置き引きに遭うことも
──活動を行っていてショックだった出来事はありますか?
中村:高田馬場のバーでお酒を飲んでいたら、そこにきていた男性に「区の清掃員が清掃した後をなぞっているだけでしょ」と言われたことがあります。その男性は僕たちがロータリーの会だとは知らなかったようですけどね。
新井:喫茶店でもありますね。店員の男性に笑いのネタにされているのを、たまたま聞きました。あとは、外国人の男性に置き引きされそうになったことがあります。喫煙所でタバコを吸っていたおじさんが気づいてくれたので盗まれずに済みました。
その後、その男性がいつもロータリーにいることに気がついて話しかけたことで顔見知りになりました。最寄り駅が同じだったこともわかり、家で酒を飲み交わす仲になりました。彼は僕の荷物を盗もうとしたことは覚えていませんでしたが。あとはやはり2021年5月のロータリーの閉鎖がショックでした。公共の場所でルールやマナーを破りすぎていると、どういった結末になるか示されたと思います。