水タバコ「シーシャ」店が“健全な若者”に人気なわけ「飲み屋よりいい」
「日本をアラブにする」が目標
竜ノ介さんはシーシャ店を出す人のためのコンサル業などもしていて目標は「日本をアラブにすること」だという。どこの店舗にもシーシャが置いてあって、気軽に吸えるという意味だ。ここ10年でだいぶシーシャ屋も増え、目標には近づきつつある。筆者も知り合いで、東京の浅草橋に最近オープンした「シーシャバーアンダーワールド」オーナー兼店長おじゅんさんにも話を聞いた。
「うちは浅草橋にあるのでサラリーマンが多くて年齢層は30代~30代後半が多いですね。若い子も来ますが、25歳以上ですかね。土地柄、夜中までやってる店が少なくて、うちは朝までやってますのでその辺で需要があると思います。キャバクラのボーイさんが、仕事が終わって来店してくださることもあります」
取り扱い店舗が増え、さらにSNSの普及により、画像や動画が広まりやすくなったシーシャ。最近ではシーシャ系YouTuberとかVTuberとか出てきているという。
「シーシャは大人の嗜好品というイメージもあるので、シーシャを吸うことがかっこいいとか思ってる若い人も多いんじゃないですかね。うちは新規の人が多くて、たぶん1000人以上、新規の方にシーシャを吸わせてきたと思います。下に出してる看板を見てシーシャに興味を持って来店するお客様が多いですね。外国人だとインドやフィリピンの方はよく来ましたね。コロナ前は観光ついでに来てる人が多かったですね」
シーシャ店を出したい人が増加中
シーシャ店が増えてきた理由としては、おじゅんさんはこう語る。
「大手店舗で修行した人が独立して自分の店を出したり、純粋にシーシャが好きだから店出しちゃうパターン、本職は別にあって税金対策で店出しちゃうっていうパターンもあります。資金力のある人はフレーバーやボトルの在庫を大量に仕入れて販売する方もいます。フレーバーは外国のメーカーや卸売りと直接取り引きすると日本の小売販売店で買うより安く仕入れられるから。
お客さんが何を求めてどの店に行くというのがはっきりとしていて、シーシャが好きで映えを求める人は店内の内装が派手だったりカッコいいボトルを使ってるところに行くし、家から近いから、値段が安いからという理由もあります。あとはここの店のシーシャが美味しいから、ここにくれば知り合いに会えるからという理由で行く店を決める人もいるのでコミュニティとしての役割は果たしてると思います」
店作りに関しては、エンターテイメントバーのような形を志していて、気軽に立ち寄って、お酒とシーシャを嗜んでもらえる店を目指しているそうだ。
ストレス社会と戦うためのある種オアシスのような役割を果たしていて、それぞれの楽しみ方があるシーシャ。またSNS時代の映え文化にうまくマッチしたところがヒットの要因となっているそうだ。今後の展開に期待したい。ただし、吸い過ぎには要注意してほしい!!
<取材・文/山崎尚哉>