「未経験歓迎」の落とし穴。SEに転職した27歳が、罵倒されて精神科に通うまで
言われた話と全然違う状況に戸惑う
面談の後、不安になっていた野崎さん。営業担当に「あんな話をして大丈夫なのか」と確認したところ、不思議と楽観的な様子でした。
「営業からは『客先には他にも自社のエンジニアが派遣されている。フォローしてくれるから大丈夫だ』と言われました。でも客先での常駐が始まったところ、話していたのと全然違っていたんです。確かに先輩のエンジニアはいたんですが、業務に追われていて、とてもじゃありませんが面倒を見てもらえるような状況ではありませんでした」
当然、客先の担当者からは白い目で見られることになったんだとか。
「客先で話していることが全く理解できませんでした。『こんなこともできないのかよ』と面と向かって言われて、使い物にならないと判断され、外されることになりました」
ひどい動悸がして、自然と涙が出てくる
野崎さんは営業担当に文句を言ったそうですが……。
「あまりにも話と違うので、営業担当に苦情を伝えたところ、最初のうちは謝ってきたものの、話しているうちにだんだんとイラついた様子になって『こっちは仕事を与えてやったんだから感謝してほしいぐらいだ』と言われました」
それでも、会社が現状を理解してくれたことで、しばらくはスキルをつけるための研修が行われるものと思っていた野崎さんでしたが、会社は無情な決断を下します。
「またすぐに別の現場に送り込まれたんです。前回ほどは話を盛っていませんでしたが、新人のエンジニアとして現場経験があり、一定の業務はこなせるものとして紹介されました。結局、次の現場でもエンジニアとして現場が務まるレベルにないことがわかると、また客先の担当者から怒られ続ける状況になりました」