休日もピザ作りの研究に余念がない

2021年にハロウィン限定商品として販売された「ハロウィンチャレンジ・クワトロ」

「もちろん、ピザ以外のものを食べるときもあります。でも、そういうときも、どうしたらピザにつなげられるかということを常に意識して食べています。ピザではない料理から、驚くようなヒントやアイデアが得られることも少なくありません。

　ただ、ピザ以外の料理でも意識して食べるようになったのは、開発した商品が却下され続け、挫折を味わったときからです」

　販売されてから3年、現在では恒例となり人気も高い「月見シリーズ」も、却下され続けた商品のひとつ。定番のクリーミーたまごを中心にさまざまなトッピングが乗った商品で、2021年は4種類の味が楽しめる「月見クワトロ」が販売された。

「わが子のように手塩に掛けて開発したピザが却下されると、やはりショックです。でも、さっきの外食の話もそうですが、行き詰ったときこそ、いろいろなものに目を向けて、さまざまな角度からものを見ることを心がけています。人気のある飲食店へ行けば、『ここに通うお客様は、何を求めているんだろう？』『料理にどんな工夫がされているんだろう？』とか、そういった研究が不思議とピザ作りにつながるんです」

小湊氏開発の人気商品になったピザ

　小湊氏が開発・世に出した商品は、商品開発担当となってから7年ほどの間に約30種類。先ほどの「月見シリーズ」ほか、1枚で4段階の辛さが楽しめるハロウィン限定「ハロウィンチャレンジ・クワトロ」、2021年夏に販売されトッピングが話題となった「フィッシュ＆チップス」などヒットへ導いた商品も多い。

2020年に販売された「月見シリーズ」。左が「てりチキたまご」、右が「クリーミーたまご＆ベーコン」

「ハロウィンチャレンジ・クワトロでは、ドミノの公式サイトにルーレットを回し、指定された辛さのピザを食べる『ピザルーレット』と、ピザを食べ切る早さを競う『ピザタイムチャレンジ』の2種のゲームもハロウィン期間に合わせてリリースしました」

　ピザ好きにフォーカスした、思い切りと遊び心たっぷりの型破りなメニュー開発は、これだけにとどまらない。2019年に販売されて話題になり、今年2021年で4弾目となった「裏ドミノ」シリーズも小湊氏の開発商品だ。

現在販売中（12月12日まで販売予定）の「まみれシリーズ」。小湊氏おすすめ「イタリアンソーセージまみれ（左）」と「コーンまみれ」

「現在は、通常の6倍トッピングが施された「まみれシリーズ」が好評発売中です。また、同じ裏ドミノシリーズだと、マヨネーズとガーリックたっぷりの『欲望の塊』。そして、ガーリックに特化した『天使と悪魔』も話題に。SNSでも『めちゃくちゃうまい！』『ドミノからすごいの来た！』など嬉しい意見を多く頂戴しました」