女性の当選者は1割未満。衆院選でわかった日本政治の“後退ぶり”
日本維新の会の所属議員が問題視
そして、佐藤さんは女性候補が比例順位で冷遇されていると指摘。名簿順位が下位になると、比例での復活は難しくなります。そうした比例順位での男女格差を指摘した佐藤さんのツイートですが、他党の候補者を応援したと見なされる事態に発展します。
日本維新の会の所属議員が問題視し、すったもんだの末にツイートは削除され、ツイッターアカウントも削除しています。
佐藤さんが具体的な女性候補名をあげて「比例順位で冷遇されている」と指摘したツイートですが、この内容は不正確です。佐藤さんが名前をあげた候補者は、男性候補と同じ順位でした。惜敗率によって、比例復活できなかったにすぎません。
衆院選で女性の当選者は1割にも満たない
そうした事実誤認はあるものの、他党候補者の落選を惜しむツイートが不適切と問題視され、最終的にアカウントを削除するまでにいたったことに「やりすぎではないか?」という声が起きています。
ツイート内容の是非は別の機会に譲るとして、佐藤さんが指摘したように国会議員の女性比率は低いのが現状です。今回、全立候補者のうち女性候補は17.7%。当選者に至っては9.7%という割合です。2017年に実施された前回の衆院選では、当選者の女性比率が10.1%でしたから、わずかながらとはいえ男女格差は拡大していることになります。
今回、当選者に占める女性の比率がもっとも低いのは自民党です。先述したように、旧来から男性議員が多く、現職議員を優先的に立候補させるという事情を踏まえれば、男性比率が高くなるのは当然の流れといえます。