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立憲民主党が議席減。辞任する枝野代表の「現場を変えた功績」を今こそ振り返る

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民進党から立憲民主党への流れ

枝野

2013年5月に実施された民主党大反省会と題するトークイベント。左から長妻昭、枝野幸男、菅直人の3議員が出席。集まった若者たちから厳しい注文を受けた

 大物議員相手に勝利するという大金星をあげても、国会という場では議席数が物を言います。議席数が減ったことに対して、責任者である枝野幸男代表と福山哲郎の両氏に進退を問う声が出ることは自然な成り行きです。

 けれども、立憲民主党を旗揚げした枝野幸男代表が積み重ねてきた功績は決して無視できるものではありません。立憲民主党は2017年に誕生しましたが、それまでは多くの議員が民進党に属していました。民進党の前原誠司代表(当時)は2017年の衆議院議員選挙にあたって、高い人気を誇っていた小池百合子都知事と連携を模索。その結果、民進党を解党して希望の党へ合流することを決断します。

 野党第一党だった民進党が、いきなり消えるという事態に永田町は騒然となりました。民進党の国会議員は希望の党へ移籍することになりますが、小池都知事は「(考え方が合わない議員は)排除します」と宣言。この発言が引き金となり、希望の党へ合流することを拒み、無所属で選挙戦に臨んだ議員もいました。

野党第一党ではあるが、自民との差は歴然

枝野

2017年の衆院選は、突如として民進党が消滅。慌ただしく立憲民主党を結党して臨んだ

 無所属の候補者は比例復活ができません。小選挙区で勝たなければ、即落選になります。希望の党に移籍しなかったorできなかった議員の受け皿として、枝野幸男議員が中心となって立ち上げられたのが立憲民主党です

 準備期間が少ないながらも、立憲民主党は2017年の衆議院議員選挙で55名の当選者を輩出。消滅危機を乗り越え、国政で野党第一党となりました。そして、2019年の参議院議員選挙では17人が当選。非改選議員の15人を加え、参議院でも野党第一党の座を確保したのです。

 結党から短い期間で野党第一党になった立憲民主党ですが、それでも自民党との差は歴然としています。きたる選挙には大きなかたまりで戦うことに備え、民進党を前身とする国民民主党との合流を進めました。

 こうして、国民民主党の一部議員が立憲民主党へ合流。新生・立憲民主党は衆議院議員107人と参議院議員43人の計150人の国会議員が参加する船出になりました。

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