パチンコ店のコロナ風評被害を、最大手マルハン社長が激白「店長全員に電話した」
夜の街、路上飲み、デパ地下、音楽ライブ……。コロナの感染拡大期になると、必ず特定の場所や業種がやり玉に挙げられてきた。しかし、一度もクラスターが発生していないにも関わらず、過剰な批判にさらされ、風評被害から立ち直れていない業種がある。それはパチンコ業界だ。
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パチンコホール経営最大手・マルハンの代表取締役東日本カンパニー社長で、一般社団法人・日本遊技関連事業協会(日遊協)の副会長も務める韓裕(はん・ゆう)氏は「2020年の大バッシングで業界は深刻なダメージを受けました」とイメージと実態は真逆だと訴える。どういうことか? 本人を直撃し、全3回にわたるインタビューですべてを語ってもらった。
コロナ下で要請を受け入れ万全の対策に
「ごく一部の休業要請を守らないパチンコ店が連日メディアで取り上げられたことで、あたかもパチンコ店は休業要請を守らないというイメージがついてしまいましたが、具体的に数字を挙げると、実は98.7%のパチンコ店が要請を受け入れて休業しました。飲食店、ホテルやスポーツジムなど他の屋内商業施設と比べても、非常に高い休業率だったはずです」
韓裕氏がこう語るように、感染防止対策も迅速だった。日遊協では2020年5月に「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を策定。
産学が連携する「屋内商業施設感染症対策コンソーシアム」の立ち上げを目指し、2020年11月より京都大学レジリエンス実践ユニットと意見交換を開始、2020年1月に「屋内商業施設感染症対策 基本4対策」を発表した。
“危ないイメージ”に苦しむ
また、業界としては2021年3月に特設サイトも開設し、科学的根拠に基づく適切な感染症対策をしていることを発信している。しかし、韓氏は「一度貼られてしまった“危ないイメージ”のレッテルが、ずっと付きまとい続けている」と厳しい現実を語る。
マルハンでは2020年、初の緊急事態宣言が出されると、感染者がほとんど出ていなかった高知県の4店舗を除く全国すべての店舗を休業させた。自宅待機となった社員の給与は補償したが、1か月以上の休業で予想以上に不安が広がっているのを感じた韓氏は、全店長に直接電話をかけて激励をしたという。