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日本の「地方テレビ局」が消える?在京キー局とも異なる問題点とは何か

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数年後にAMラジオが完全撤廃される!

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各ローカル放送局ならではの情報発信にこそ、その魅力があるとのこと

――ここまでがローカル放送局の中でもテレビに限ってですが、ラジオのローカル放送局もありますよね。

樋口:もちろんです。ラジオのローカル放送局も話し出すと長くなるので割愛しますが、近い将来の動きとして、これまでAMとFMの2つあったラジオ放送のうち、AMラジオのほうは数年以内になくなります。これは大きな転換期になると見ています。

――初耳でした。

樋口:現在、radikoといったアプリでラジオを聞く方が多いので、AMラジオやFMラジオってどうやって聞くの? という人もいるかもしれません。日本の放送の歴史は、2025年で100年になるんですが、最初の放送はAMラジオで始まっていて、それが間も無く終了すると。まさに時代の節目を感じます。

ラジオ局の「色」が強調される時代に

樋口:終了する理由は、規模の大きなAMラジオ放送の電波塔の更新に費用がかかるといった事情で、キー局、ローカル放送局を問わず各ラジオ局の大半が「もう全部FMにする」と言っているんですね。今のところ、「2028年の秋までに完全FM化を目指す」として公表していますが、その前後で全国のAMラジオが終了する予定です。

 高校時代、自分でAMラジオを作って聞いた経験のある私はこれもすごく寂しいです。AMラジオしか聞くことができない古いラジオ機器のコレクターの谷川俊太郎さんも「聞けなくなるじゃないか」と、たぶん怒っているんじゃないかと思います(笑)。

 AMラジオは、聴いたことがある人ならお分かりかと思いますが、radikoやFMラジオに比べて、音がこもって聞こえるんです。良く言えば音がまろやか。これは、人間の声が聞こえる周波数に合わせて開発されてきた経緯があるためで、これまでAMラジオはトーク中心、FMラジオは音楽と棲み分けがありました。

 しかし、現在、AMラジオ放送局がFMラジオの周波数の上の方(ワイドFM)でも同じ番組を流すようになってきたことで、内容面でも各局変化が生じてきました。ですので、いまや、「AMか、FMか、ネットか」というような手段の違いによる、「色」は消えつつあって、そういったことよりも、ラジオ局自身の「色」のほうが強調される時代になってきたと言えると思います。

日本ローカル放送史

日本ローカル放送史

放送と地域の近・現代史を実証的に描き、今後のローカル放送のあり方を指し示す

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