突然のロス出張、社長に“薬”を届け続けた20代社員…その意外な中身
人材派遣会社に入社して3年目の鮎川誠さん(25歳)。就活でチャレンジしたコンサル会社にことごとく落ちてしまった鮎川さんは、滑り止めとして内定を受けた会社から経営企画に配属されると知らされて、前向きな気持ちで入社。
ところが経営企画部の仕事は会社経営を学べる場ではなく、経営陣たちの使い走りのような日々でした。
しかも社長や直属の上司がとんでもないモンスター上司と化していたのです。鮎川さんの試練はどのようなものだったのでしょう。
就職先の人材派遣会社のモンスター社長
「社長の出張中にロサンゼルスまで薬を届ける羽目になったときは、さすがにヒドい会社だと怒りがこみ上げてきましたよ」
当時を思い出して、拳を握り締める鮎川さん。新卒で入社した人材派遣会社は、学生向けや転職希望者をターゲットにしたのがあたり、成長していた企業でした。
「ところが社長(65歳)が一代で築き上げた典型的なオーナー会社のため、経営陣は、社長のイエスマンのみ。入社半年後には、『ロスにいる社長まで薬を届けろ』という命令が下されました」
ロサンゼルス出張の社長に届けた薬の“中身”
オーナー社長がロサンゼルスに出張中に、鮎川さんは社長が通院する病院の主治医から、“薬”をもらって、ロスに届けるというミッションをもらったというのです。
「主治医が勤務する病院が神奈川にあるため、最初は電車で病院まで行けと言われて。さすがにそれは難しいからと交渉して、運転手付きの社長の車で病院へ向かい、薬をもらってそのまま車で成田へ。
あたふたとフライトし、ロスに到着してから社長が滞在するホテルに届けると、すぐにトンボ返り。1年に数回以上届けましたが、一度もロスの観光をしたことはないです。
上空からロスの街を眺めるだけでした。しかもその中身は糖尿病治療の“インシュリン”……いや、自分で持っていけよ!」