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やがて老後の資金は自己責任に?今から知っておくべき「年金の真実」

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知っておくべき2004年の年金大改正

 いよいよ手を入れないと危うくなってきたということで2004年に改正が行われました。まずここで整理しておきたいのは年金財政をひっ迫する大きな要因です。具体的には平均余命の伸び(年金額増)、と現役世代の減少(保険料収入減)です

 年金制度を維持するために手をいれるにしてもやることは

① 年金財源にあてる現役世代の保険料を上げる
② 年金額を下げる

 など考えられるものの、少子高齢化が進み、年金給付費が年々増加する中で現役世代に際限なく、保険料負担を求めるのは難しいのです。まずは上がりっぱなしなっていた現役世代の保険料の上限(18.3%)を定めたのです。

 ちなみに2021年時点ですでに保険料率は上限に達しています。そして②について年金額を下げられればよいのですが、すでに年金を受給している世代からすれば「こんなんじゃ生活が成り立たない」と猛反発があることは目に見えているのです。

 そこで、目に見える形で減額することは難しいことから長期的に年金の価値を目減りさせるといった分かりづらい方法で調整することにしたのです。

 例えば30年前(1990年)の新卒者の初任給と現在の新卒者の初任給を比較(2019年)すると4万円ほど現在のほうが高く、また物価も10%上がっています。このような場合には、かつては年金の金額も同じように上げていたわけですが、2004年の改正を機に「給料やモノの値段が上がっても年金額は同じように上げないよ」というようにしたわけです。

収入に占める年金の割合は5割超に

お金 不動産

 簡単に言うと、今まで100円で買えたものが1000円になったとしても年金額を同じようには上げないため、実質的には年金額が下がることになるわけです。このように2004年の改正では給与やモノの値段が上がっても年金の水準は自動的に調整する(=年金額は上げない)といったしくみを導入することで年金額を抑えるように調整したのです。

 年金制度は財政検証といって、年金額の水準が適正かどうか、財政の面からも長期にわたって維持できるかどうかを5年に1度、確認するしくみを取り入れています。人間でいうなら、健康診断みたいなものです。

 今後の収入に占める年金の割合についてまとめた資料があります。2019年に財政検証が行われその公表された厚生労働省の見通しのなかで、2019年現役世代の収入が35.7万円とすると、夫婦の年金は22.0万円と収入における年金の割合(所得代替率)が61.7%とされているものが、2046年(令和28年度)には現役世代の収入50.6万円に対して、夫婦の年金が26.3万円とされており、収入に占める年金の割合も51.9%になるとされています

 収入が15万上がっても年金は4万円ほどしか上がらないといった見通しが立てられているのです。長期的に年金を上げないしくみをとることで年金の支出を抑える形にしているため、気づいたときには「年金大分減ったよね」なんてことになってしまう可能性が十分に考えられるのです。

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