職場のストレスを発散してたら…バッティングセンターで嬉しい出会いが
お手軽なストレス解消法として定番のバッティングセンター。筆者もそれを実践しているひとりですが、自分以外にもワイシャツ姿の男性たちが一心不乱にバットを振っている光景をよく目にします。
医療機器メーカーに勤める神谷照幸さん(仮名・27歳)もコロナ前は週2~3回のペースで通っていたとか。当時在籍していた部署の上司からなぜか嫌われており、自分にだけ当たりがキツく理不尽な叱責を受けることも多かったそうです。そんな会社でのストレスを発散していたのがバッティングセンターだったといいます。
上司への怒りをバッティングセンターで発散
「少し遠回りになりますが帰る途中に寄れる場所にあって、以前から気になっていたんです。バットを握るのは高校時代以来でしたけど、芯でボールを捉えるとやっぱり気持ちいいですね。毎回3~4ゲームしていましたが、気持ちがリセットできて、明日まだ頑張ろうって気持ちになれるんです。私はアルコールが苦手でお酒でストレス発散ができなかったため、いい解消法を見つけたと思いました。気づいたら店長と顔なじみになるほどの常連になってましたけど(笑)」
実は、神谷さんは元高校球児。強豪校ではなかったので最高でも県予選の3回戦止まりでしたが、2年生からレギュラーとして活躍。しかし、高校卒業後は野球から離れてしまいます。もともと好きだったのは、観戦ではなくプレーすること。一応、プロ野球やメジャーリーグはネットニュースで結果くらいは確認していたとはいえ、以前のような情熱はすっかり失せていました。
「地元に残った友達の中には、草野球チームに入ったヤツもいましたが、私は大学進学で東京に来てしまったので。それに仕送りだけでは厳しかったからバイトしなきゃいけなかったし、野球をする余裕なんてありませんでした」
野球への思いが再燃
大学卒業後も仕事に追われ、自宅と職場を行き来する日々。そんな中、ストレス解消でバッティングセンターに立ち寄ったことで、また野球がしたいと思うように。
すると、いつものように仕事帰りにバットを振りに訪れたある日、自分よりひと回りほど年上の男性から声をかけられます。
「打ち終わった後、ベンチに座って休んでいたら『よく来られてますよね?』って話しかけられたんです。その人も私のようによく来ている方で何度も見かけたことはありましたが、こうして話をするのは初めてでした。このときは挨拶程度でしたが向こうも仕事終わりに通っているらしく、それからは顔を合わせるたびに世間話をする仲になっていました」