マヂカルラブリーが語る、物事を続けるコツ「目標は達成しないと気持ち悪い」
目標は達成しないと気持ち悪い
――日記を読んでいて思ったのが、野田さんはいろいろなことを継続している印象があります。
野田:日記に関しては、嫌なことしか書いていないんですよ。それを書くためですね。現場で嫌なことがあっても、「日記に書くためだしな」と思えば、そんなに嫌なことではなくなる。嫌なことを、嫌なことのままにしないための作戦ですかね。
――物事を続けるためのコツはありますか?
野田:やめたら、とんでもないことが起こると思い込むことです。ただ、筋トレに関しては、「ダンクができるようになる」という明確な目標があったので、継続とはまた別ですかね。目標を設定したからには、達成しないと気持ち悪いという感覚があります。達成しなかったときに損した気分になるし、今までの努力はなんだったんだよとなるので、引き戻るよりかは進むほうですね。そのおかげで、途中でやめたことはひとつもないです。褒められたい、すごいと思われたいというのもあるかもしれないです(笑)。
――『ニッポンを釣りたい!釣って食べて寝たいだけ。』(テレビ新広島、フジテレビ系列)でも、野田さんは火おこしを何時間もやっていて、かなりストイックな印象を受けました。
野田:あれ、実際はもっとやってたんですよ。でも、3時間くらいたったときに、もうキレちゃって、意固地になっちゃうというか。そういう瞬間になるときがありますね。そういうときは、お笑い関係ないです。それがいい方向に進むときもあれば、悪い方向に進むときもありますね。GAGの福井(俊太郎)もそうなんですけど、芸人ってたまにキレちゃうときがあるんですよね。「もうお笑い関係ないぞ」って。
村上:「嫌がらせしてやろう」っていう感覚に近い。クリスマスとかバレンタインのライブって、お客さんに誰と一緒に過ごしたいかを毎回投票させるんですよ。そのときは舞台上で毎回キレてましたね。「くっだらねぇ。いつまでやってんだ。こんなママゴトみたいなこと!」って(笑)。
スタッフと信頼関係が築けたときは嬉しかった
――テレビに出るようになってから、自分たちのやりたいものと、向こうから求められているものの間で揺れ動くことがあると思うんですが、その時はどうしていますか?
野田:テレビって意外と、意固地なものや独特なものを面白がってくれて、すんなり受け入れられることのほうが多いですね。「こういうことやりたいんでしょ?」って、そういった扱いを受けています。
――先日放送されたコント番組『脳天カルパッチョ』(テレビ朝日系)の公式Twitterに「野田さんから送られてきた台本が暗号みたいだった」と書かれていましたが。
村上:あれはもはや台本じゃないです(笑)。
野田:そうですね。とりあえずキャラクター設定とか、衣装の感じを送ったんですよ。そうしたら、すぐにその衣装を作り出してた。そんなわけなくないですか? 普通、「これはどういうコントですか?」って聞かれるもんなのに、そういうのも聞かずに作り出してました。でもそのときは、信頼されたなと思って、嬉しかったです。それで、実際にやったコントの出来にも満足できたし、なによりスタッフのみなさんが笑ってくれました。信頼関係があって、良いコントができて気持ち良かったです。
【インタビュー前半】⇒『マヂカルラブリー「やるお笑いは変わらない」。注目の“大宮セブン”次期エースも』を読む
<取材・文/ヤマタケ 撮影/市村円香 編集/詠祐真>
【マヂカルラブリー】
1986年神奈川出身の「野田クリスタル」と、1984年愛知県出身の「村上」の2人からなるお笑いコンビ。2020年R-1ぐらんぷり(野田)、2020年M-1グランプリ優勝。
■ Twitter:野田(@nodacry)村上(@mlmurakami)