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得する・損する「食べ放題」の違いは?人気チェーンに“思惑”を直撃

ビジネス

「食べ放題」を利用するお客さんへのお願いも…

食べ放題

エビカクテル食べ放題も実施していた

 根本さんのお話からお店側の誠実な思いが伝わってきましたが、加えて利用される人に対してもぜひお願いしたいことがあるそうです。

「ルールを守っていただきたいことと、絶対に食べ切れる量だけ取っていただきたいということです。前述の通り、場合によっては食品ロスを避けるために『食べ放題』を実施するケースもあります。食材は『命をいただいている』ものでもあり、食品ロスは避けたいものです。この点は『社交場を好む』大人として守っていただきたいですね。

 あとは、できればお酒もぜひ合わせて頼んでいただければ嬉しいですね。特に弊社運営のお店の『食べ放題』は採算ギリギリのところで実施していますので

 緊急事態宣言やコロナ明けに、利用される際はぜひお酒のオーダーも合わせてお願いしたいです」

 最後に、気になるアフター・コロナに向けての見通しを聞きました。

「世界的に見ても、日本ほど飲食店が多い国はないという説があり、外食産業は『日本の文化』とも言えるのですが、残念なことにコロナ禍が終わったとしてもおそらく以前ほどのお客さんは見込めないだろうというのが現実的な見方です。

 しかし、そこで諦めるのではなく、時代ごとに変わっていく新しいニーズに応えながら生き残っていきたいと思っています。今後も利用される方が喜んでいただけるようなサービスを提供し、それによって収益をあげていきたいと思っています」

 お店ごと「食べ放題」の思惑は異なると思いつつも、利用者にとっての注意点やお願いは、おそらくどの店にも共通するものだと思います。「食べ放題」を利用する際は、ぜひ意識していただきながら、そのサービスを楽しんでみてはどうでしょうか。

<TEXT/松田義人>

音楽事務所、出版社勤務などを経て2001年よりフリーランス。2003年に編集プロダクション・decoを設立。出版物(雑誌・書籍)、WEBメディアなど多くの媒体の編集・執筆にたずさわる。エンタメ、音楽、カルチャー、 乗り物、飲食、料理、企業・商品の変遷、台湾などに詳しい。台湾に関する著書に『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)、 『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『台湾迷路案内』(オークラ出版)などがある

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