広告費ゼロの「フルーツ大福店」が半年で全国10店に。28歳脱サラ男性の驚きの集客戦略
時給だけじゃない。アルバイトの驚きの収入源
中には、週3回以上、フルーツ大福を“大人買い”していく方もいるとか。さらに、TikTokのギフティング機能、「TikTok LIVE Gifting」を使用した際には、アルバイトスタッフ全体の月給に匹敵するほどの収益を叩き出したことも。
「会社のアカウントとして運用していますが、ギフトの一部は当日の販売スタッフに歩合として渡しています。そうすることで、販売スタッフは元気で明るい接客を心掛けてくれ、視聴者がその子を応援するためにギフトを贈ったりと、好循環をもたらしています」
ほかにも凛々堂のライブ配信は、さまざまなメリットをもたらしています。
「オープンからクローズまでライブ配信を続けるのは、丸1日スマホ上でビラ配りをしているのと同じようなもの。また、来店による購入だけでなく、通販やギフトといった複数のキャッシュポイントを機能させられるのも強みです。営業風景や製造過程といったオペレーションをライブ配信で見せることで、お客様の安心感にもつながっていると思います」
広告費0円でTikTok経由で求人も
さらに凛々堂では、“看板娘”たちもTikTokで募集。動画投稿やTikTok LIVEで「アルバイト募集中」と告知するだけで、応募が殺到しているといいます。
「TikTokでバズってしまえば、通常の求人よりも遥かにリーチを伸ばせますから。TikTokには、若い層を中心に幅広い年代のユーザーがいるので、届けたい層にちゃんと届くのも大きいです」
現代の若者は、お金以上にフォロワーの支持を集めることが価値を持つとも言われています。「TikTok LIVEに出たい」「TikTokのノウハウを身につけたい」といった志望動機の人もいそうな気もしますが。
「そのケースも多いですね。私はオンラインサロンを運営していて、そこではSNSのフォロワーの増やし方、マネタイズの方法などを教えています。アルバイトスタッフにもそれらのノウハウを伝えて、自由に活用してもらうスタンスを取っています」
SNSのテクニックを磨きながらお金ももらえて、成果によってはインセンティブまで支払われる。確かに、現代の若者のニーズとマッチした求人のあり方かもしれません。
これまで“看板娘”と言えば、地域の人だけが知っているローカルな存在でした。しかし、現代ではTikTokなどを通じて全国から集客したり、看板娘自身が人気を活かしてお金を稼いだりできる仕組みが整っています。凛々堂が起こしたのは「看板娘2.0」とも言うべきイノベーションなのかもしれません。