広告費ゼロの「フルーツ大福店」が半年で全国10店に。28歳脱サラ男性の驚きの集客戦略
街から人がいなくなり、呼び込みもできず、営業時間も短縮……。コロナの打撃を受けた飲食業界を救う存在が、InstagramやTikTokなどのSNSです。店舗がSNSにメニュー写真を投稿したり、来訪客がお店の写真をSNSに投稿することで、集客につながることは珍しくなくなりました。
しかし、そのような「教科書的な成功法則」を聞いても、実際に成果を出せる飲食店はそう多くありません。そんな中、SNSを駆使することで、広告費ゼロでオープン初日から行列ができるほどの人気を生み出し、圧倒的な人気を誇るスイーツ店があります。
それがフレッシュなフルーツ大福を提供する「金沢フルーツ大福 凛々堂」(@tomoro8931)です(以下、TikTok公式note編集部が行ったインタビューをもとに構成)。
広告費ゼロなのに「半年で10店舗」展開の謎
実はこのお店、2020年11月に1号店となるスカイツリー店をオープンしてからというもの、人気に火がつき、なんと現在は石川、大阪、栃木、東京とフランチャイズ加盟店を合わせて全国に10店舗を構えています。同店を仕掛けたのは、28歳の起業家・鈴木智哉さん。なんと鈴木さん、つい2年前まで大学職員をしていたサラリーマンでした。
たった半年で10店舗展開する大人気フルーツ大福店はどのように生まれたのでしょうか。そこで明らかになったのは「飲食店ではなくマーケティング会社」として自社を捉える発想の大転換でした。
副業で焼肉店をオープン、バレてクビに
「もともとは大学の事務職員として働いていました。転機となったのは、副業で焼肉店をオープンしたこと。これが大学にバレて即クビになりました(笑)。焼肉店はSNSを使った集客で大人気でした」
驚くのは、そのSNSの使い方です。
「メニューの写真をあらゆるパターンで投稿し、テストマーケティングを行っていました。全く同じメニューであっても、テーブルにいくつ並べるのか。ステーキ丼の卵は割るのか、三色丼はどの具材を手前にするのかで、何パターンも撮って反応を見たんです」
そこで見えてきたのが、同じメニューでも写真の撮り方や加工によって、まるで“伸び”が違うこと。
「いろんなお店の料理写真を投稿して分析した結果、ひとつの投稿に200以上の保存マークがついた投稿が行列店につながるケースが多いことがわかってきました」
こうしてSNSに投稿する料理写真の画角や配置に徹底的にこだわった結果、大阪にオープンした焼肉店はわずか3か月で行列のできる人気店となったのです。