インパルス板倉俊之が語る、コロナ禍で“孤独を楽しむ”術「性格が合う人は一握り」
僕からの最大限のアドバイスは…
――ちょっと失礼かもしれませんが、板倉さんがぜんぜんマイナス思考じゃなくて意外でした。
板倉:けっこう客観視しちゃってるんですよ。だって、この世にいる全員がいてもいなくても変わらないですからね(笑)。自分も含めて何ひとつ変わらない。だったら今の状況を楽しく生きたほうがいいじゃないですか。結局は考え方ひとつなんですよ。
――もはや達観の域ですね(笑)。新しい環境になじめない20代のビジネスパーソンにアドバイスがあればお願いできますか?
板倉:大前提として、「嫌なことをやるからお金をもらえる」ってことですね。だから、「やりたくないことが仕事なんだろうか」と悩むのはもう無駄で。今の状況を前向きに考えたほうがいいと思います。
さっきの「1人がいいか、誰かと一緒がいいか理論」じゃないけど、企業に入って生活が保障されてるっていうのと引き換えに自由を差し出したと思えばいいんじゃないですかね。反対に僕みたいに生きてる人は、安定を引き換えにして自由を手にしてると思えばいいし。結局、どっちもどっちなので。
あと、これは身近なアドバイスですけど、早めに米を炊けるようになっておいたほうがいい。僕は40歳すぎてコロナ禍になって初めて炊飯器で米を炊いたんです。そしたら、「こんなに米ってうまいのか!」って感動しちゃって(笑)。だから、絶対に米は自分で炊くべきだと思います。
それから床に絨毯は敷かないほうがいい。僕は9年ぐらい放置したままの絨毯でゴロゴロしてたんですよ。そんなある日、(ビート)たけしさんの健康番組に出た時に「日本に生息していないはずのカビが生えています」って言われて(笑)。「嘘だろ!?」と思って、家に帰ってリビングのカーペットめくったら、『風の谷のナウシカ』の“腐海の森”みたいに白い粉が広がっていたんですよ。
調べてみたら、それってチリとかダニの死骸だった。だから1人暮らしする人は、まずコードレスの掃除機を買っておくことと、絨毯を敷かないことが大事。これは僕からの最大限のアドバイスです(笑)。かなり実用的だと思いますよ。
<取材・文/鈴木旭 撮影/スギゾー>
【板倉俊之】
1978年、兵庫県宝塚市生まれ。吉本興業所属。1998年、相方の堤下敦とお笑いコンビ「インパルス」を結成。『はねるのトびら』『エンタの神様』などに出演。お笑い芸人の活動の傍ら、小説も執筆しており、2021年1月に自身5作目となる『鬼の御伽』を発表
Twitter:@itazuratoshiyuk