インパルス板倉俊之が語る、コロナ禍で“孤独を楽しむ”術「性格が合う人は一握り」
本当に性格が合う人なんてごく一握り
――同業者の先輩や後輩に対して、「この人に気に入られたい」「こういう先輩に思われたい」というような気持ちも湧かないですか?
板倉:人間関係を円滑にしようとつくろっても、結局、ボロが出るじゃないですか。僕は自分がやられてキレるようなことさえしなければ、それでいいんじゃないかなと思っていて。もし普段通りの行動で怒られたら、「あ、自分と違う」「そのスイッチお持ちだったんですね」って距離を置くだけなんです。
反対に「あ、オレだったらキレるわ」ってことをしてしまったら、めちゃめちゃ謝ります。気を遣いすぎっていうか、顔色をうかがって“怯え”に近いような感じで生きるのが一番しんどいですよね。
――ただ、身近にSNSがあって無意識に顔色をうかがってる人って少なくないと思うんです。板倉さんみたいに適度に他人との距離を保つには何が必要だと思いますか?
板倉:「何が怖いのか」「何に怯えてるのか」を一旦整理してみるといいかもしれないですね。結局、自分がないものねだりしてるだけじゃないかな。「1人が寂しい」って思ってる人も大勢いるけど、「2人でしんどい」って思ってる人も大勢いますよ。
本当に性格が合うなんてごく一握り。一緒にいてプラスしかないって人のほうが稀だって考えたほうがいいと思う。たとえば1人で飯つくって片づけてる時に「寂しいな」と思う人がいるとします。
じゃあそれで誰かと2人で暮らしてれば幸せかって言ったら、今度は「どっちが洗うんだ」って揉めるかもしれない。僕は「だったら、今のほうがいいわ」ってなるんですよ。
「ベッドの上で両手を広げて寝てごらんなさい」
――「相性がいい人」のほうがレアだと。
板倉:1人で寂しいと思ってる人には、「いったん、ベッドの上で両手を広げて寝てごらんなさい」と言いたい。これ1人じゃないとできないからねって。
誰にも起こされず、好きなだけ寝る。これって人間にとって、かなり上位にある幸せじゃないですか。だから、寂しさぐらいいいじゃんって思います。
一方で「2人でしんどい」って悩んでるなら、揉め事とかが起こっても「寂しいよりはいいや」って思えばいい。いずれにしろ、「自分のほうがいい」ってマインドコントロールしていけばいいんですよ(笑)。1人と2人、どっちをとっても天秤にかけた時の苦労は一緒。「結局、どっちにしろ同じ」って思っておけば、どんな状況でも大したことないって思えるんじゃないですかね。