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ノーを「イエス」に変える交渉術。ビジネス系メンタリストが指南

学び

商談の成功率を高める「自己重要感」

名刺

 ではこの誠実さというのはどのように作ればいいのでしょうか?

 もちろん顧客に嘘はいわないことはもちろんのこと、しっかり顧客の声を聞き、その希望に沿うように一生懸命になることが求められますが、何よりも重要なのは「自己重要感」です。つまり、自分自身の現状をしっかり認めることが大事で、その姿が商談の成功率を高めてくれるようになるのです。

 20代のビジネス期ではどうしても背伸びをしたくなる時期であり、顧客の前でときには「できないこと」を「できる」と約束し、のちに多大なる迷惑をかけることがよく起きるものです。

 これではますます自己重要感が下がっていきます。まずは素直に現状を認めることから始めましょう。

 自分のレベルをしっかり把握し、できない事は上司に相談し、あくまでも仕事はチーム戦であることを認識する必要があるのです。このような認識や自覚が実はこの自己重要感をもたらせてくれるようになります。なぜなら、チーム戦で戦えば失敗を犯すリスクは少なくなり、逆に成功体験を積むことになるからです。

 成功体験を積めば、さらに自己重要感は増し、そんな姿を見た顧客は、あなたを信用し、信頼し、きっとファンになってくれることでしょう。ファンになってしまえば、よほどのことがない限り、顧客はあなたの提案や交渉にノーと突きつけることはなくなります

 異性にアプローチをするときにカッコを付けても、いずれその化けの皮は剥がされるわけですから、最初から等身大で勝負することが重要なのです。交渉に挑むときは等身大で挑み、上司にしっかりフォローしてもらい、今回お伝えしたスキルを取り入れ、成功を積み上げていきましょう。この意識づけが交渉で顧客から「イエス」を引き出す近道となるのです。

<TEXT/プロフェッショナル・メンタリスト ロミオ・ロドリゲス>

プロフェッショナル・メンタリスト。1972年香港生まれ。説得術、交渉術のエキスパートであり、ビジネス心理専門家である。幼いころよりイギリス、カナダ、日本とさまざまな国々で生活し、4か国語を操る。相手の心を読み、暗示をかけ、操作をするエンターテイメント「メンタルマジック」を日本に確立させた第一人者

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