松葉杖で4階まで…手頃な家賃につられた28歳男子の地獄の日々
ゴミ袋を捨てに行けず異臭が発生
また、松葉杖なのでレジ袋を持ってマンションの階段を上ることはできず、リュックでも容量的にそこまで入らないので食料品や雑貨など買い物はすべてネット通販。それでもゴミは自分でマンション内のゴミステーションに持っていかなければならず、これにはかなり苦労したようです。
「両手が塞がっているので行儀は悪いですが、最初はゴミ袋を足や松葉杖で転がしながら階段を下りるようにしていました。ですが、ある日ゴミ袋が破けてしまい、階段じゅうに中身が散乱してしまったんです。
以来、松葉杖なしで歩けるようになるまでゴミを捨てに行くのをやめました。ただ、台所にはゴミ袋が溜まっていくし、そのうち腐った臭いが漂い始めてきて、あれはさすがにキツかったです」
「1階にしておけば」と何度も後悔
これで彼女でもいれば家に来て身の回りの世話をしてくれたのかもしれませんが、引っ越しの半年ほど前に別れてしまい、当時はフリー。実家も離れていたため、すべて自分でこなさなければなりませんでした。
「マンションを契約する際、入居した4階だけでなく1階にも空いている部屋があったんです。けど、下の階だと人目につきやすいからカーテンも開けられないし、泥棒がはいりやすそうじゃないですか。それで4階を選びましたが、松葉杖生活の間は『1階にしておけば……』って何度も後悔しました」
それでも若いこともあって医者の見立てよりも早いスピードで回復。3週間ほどで松葉杖を使わずに歩けるようになり、3か月が経つころには骨折した左足への違和感もほとんどなかったそうです。
「振り返ると短いような気もしますが、そのときは1日1日がものすごく長く感じました。それと普段当たり前のように利用しているエレベーターがあんな便利なものだったとは気づきませんでした」