「LINEが怖い…」病みぎみの部下からの相談に、上司まで休職した顛末
ネガティブの連鎖
何度もBさんをフォローして元気づけていた馬場さんでしたが、次第に自分の無力さを感じ始めてしまいます。そして、馬場さん自身がネガティブな思考に変わっていってしまったのです。
「何度アドバイスしてもやっぱり悩み続けているBくんを見ていたら、自分の言葉や経験は大したことがないのではないかと思い始めてしまったんですよね。それで少しずつBくんのLINEに返事するのも億劫になってしまい、LINE自体を怖いと感じるようになりました」
送られてくるのはネガティブなワードばかり。そんなLINEを見ているうちに、ネガティブな思考が連鎖して、ついに馬場さんまで鬱気味になってきたのです。徐々に仕事へのモチベーションも下がり、会社で馬場さんを心配する声もあったそう。
休職と2人の関係
その様子にBさんもなんとなく気づいていたのか、以前ほど馬場さんにLINEを頻繁に送ってくることがなくなりました。そして、その頃ちょうど新人の指導期間が終わり、Bさんは馬場さんのもとから離れて仕事をするようになりました。
「指導期間が終わったら全身の力が抜けたような感覚になって、さらにやる気もなくなりネガティブになっていくのを感じました。それで少しの間仕事を休むことを決めたんです。最初は半年休むつもりでしたが、もともとそこまでネガティブな性格じゃないので、友人と会ったり、家族と話したりしているうちに気持ちが戻ってきて3か月で復帰できました」
その3か月間に何度か、Bさんから「僕のせいでしたらすみません」とLINEが来ていたといいます。もちろん馬場さんはBさんのせいにすることはなく、気にしないようにフォローする内容の返信をしました。
「復帰してからはBくんとも程よい距離感で仕事ができていますし、彼も出来る仕事が増えて自信がついてきたのかちょっとずつ表情が明るくなっているように見えます。また新人指導を任されることになったら、自分の気持ちが引っ張られないように気をつけないといけませんね」
<TEXT/つる>