NSCをクビ、無観客ライブも。ランジャタイが語る「暗黒の地下時代」
自宅で「お笑いライブ」を開催
――そこをやめてからはフリーで5年くらい活動されていて。
国崎:一番ヤバかった時期ですね……自分たちの家で、自分たちがお客さんになって「ライブ」を開催していたんです。あ、ほんとですよ? まずネタを月10本ぐらい作って、それを映像に収めて、日にちも決めて、『ランジャタイ単独ライブ』のチラシも作るんです
伊藤:テンション上げるためにね。
国崎:で、街にたまたまいたという体で、お客さんとして僕らがライブに行ってネタを見て、ライブが終わったらアンケートも書くんです。それを1年近く続けてましたね。
伊藤:誰に見せるわけでもなく。それを知った先輩方からいわゆる通常のライブに誘ってもらうようになって。
国崎:そこでも無観客が多かったからあまり変わりなかったですね(笑)。「なかのZERO」っていう会場である日無料ライブをしていたんですけど、おっさんが1人だけ観客でいて、よく見たらイヤホンをしてるんですよ。どうやら競馬の実況を聞いてる最中で、いきなり「そこだ、差せー!」って叫びだして。そういう人の前でネタやってましたから。
伊藤:会場の警備員さんがいるんですけど、あまりにも暇だから警備せずに座って休んでたり。
国崎:バトルライブだったんですけどその人しかいないんで、全員がその人に受けそうなネタをするっていう。警備員争奪戦みたいな。
「お前らなんてゼロか100だから」
――同じ場所で活動していた芸人は他に誰がいましたか?
国崎:メイプル超合金さんとかは地下でやってましたね。今では超人気ですけど、無観客の中「手応えアリ!」「もうイヤ~」って言ってて。そりゃもうイヤだろう、客が誰もいねーのに。
伊藤:手応えもクソもないしね。
国崎:あとはマヂカルラブリー、ザ・ギースとかマツモトクラブさんとか。そのとき出会って衝撃を受けたのが、モダンタイムスさん。笑いの感覚が似ていて、「うわーめちゃめちゃおもしろいな」と悔しさを覚えました。
伊藤:地下界隈は結束が強いかもしれないですね。アドバイスも積極的にしてくれるし。僕らには「お前らなんて悩もうが、何のネタをやっても一緒だから気にすんな」みたいな。
国崎:「もう、ゼロか100かだけだから別に何やってもいいんだよ」みたいな(笑)。そういった存在が周りにいるのはありがたいですね。