生姜焼きのタレが白メシと相性抜群!人気定食屋2軒のがっつり定食
100年以上続く老舗の定食屋
続いて訪れたのは、駒場東大前の「菱田屋」。打ちっ放しのコンクリートのオシャレな外観だが、明治創業で100年の歴史がある老舗定食屋だ。
黒板のメニューには、あなごフライ、かじきまぐろバター焼き、餃子、麻婆豆腐など魅力的なおかずが並ぶ。その中から指名したのは、油淋鶏だ。
おまちどうさま! と、テーブルに置かれた定食を見て、思わず唸ってしまった。拳のように大きなから揚げが4つが山のように盛られ、おおぶりの茶碗にたっぷりの白メシ。さて、この“山”を最後まで登り切ることができるのだろうか……。そんな不安も一口食べたら一蹴された。
拳のような大きさのから揚げにサクッと噛みつくと、ジュワッと肉汁が迸る。甘味と酸味、薬味たっぷりでコクのあるタレが絡まり、白メシがもう、とまらないのだ。旨いっ、旨いっ、旨いっ!と、食べるたびに心の中で拍手喝采。これはいくらでも食べられる。
「お腹いっぱいになってほしい」
それもそのはず。5代目店主の菱田アキラさんは、伝説の店とも言われる中華料理の名店「文琳」で修業していたからだ。そんな菱田さんの思いは「満腹になってもらうだけじゃダメ」だという。
「来ていただいた、お客さんみんなにお腹いっぱいになってほしいんですよ。でもね、量が多いだけじゃダメ。がっつりしているからこそ、毎日でも食べ飽きない味を作らないと」
腹いっぱいだが、また食べたい! と思ってしまう料理は、菱田さんの思いが体現されているようだ。さて、昼から頑張るか……。店を出て、ベルトを緩めた。
▼ 菱田屋の「油淋鶏定食」
まるで小さな山のように盛られたから揚げに、特性のタレがかかった油淋鶏定食は850円(税込み)。肉も旨いのだが、とにかく衣の食感と味わいは特筆すべきものがある。油淋鶏をつまみに飲む常連も多し