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28歳、新人AD時代の忘れられないミス「映像が完全に無音でした…」

コラム

 うっかり仕事でミスをしてしまう経験は誰もしているはずです。振り返ればそんなミスを重ねて人は成長していくものなのかもしれません。しかし、本人にとっては何年経っても忘れられない苦い思い出となっていることでしょう。

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画像はイメージです(以下同じ)

 映像製作会社で働く柚木雅治さん(仮名・28歳)は新人だったころ、とあるロケ現場にて、今でも忘れられない大失態を犯してしまったそうです。

新人のころにしでかした致命的なミス

「今の会社で働いて今年で6年目になるんですけど、あの時のことは忘れられないですね……。その日はお笑い芸人を呼んでのスタジオ撮影だったのですが、大規模な番組だったので、事前に演者のコメント撮りを当時ADだった僕が任されていました。

 午前10時から順番に撮って、お昼の弁当を食べる前に自分で撮影した映像をチェックしてみたんです。カメラ側の設定で音声チャンネルが正しく出力されておらず、完全に無音の状態だったんです……

 もう弁当どころではなりますよね。番組のディレクターに報告しにいったら『今すぐ控え室行ってコメント撮り直してこい!』と言われ、すぐに撮影しにいきました。が、案の定1回目と同じようなテンションでのコメントはもらえず、お蔵入りに。その日は撮影が終わった後もプロデューサーにこっぴどく怒られました」

通常は2年のAD業務を4年やった

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 今ではディレクターに昇進した柚木さんですが、このミスは今でも鮮明に覚えているそうです。以降は、ロケやスタジオ撮影などでカメラを回す際は音声が撮れているかを必ず現場でチェックしているそうです。そして、このミスが影響して柚木さんは出世コースからも一足出遅れてしまったといいます

「いくら気をつけてもヒューマンエラーはどうしても起こってしまいます。とはいえ、取り返しのつかないミスはキャリアにも響きますよね。社長に絞られたあと、直属の上司にも散々怒られて、『お前はイチから仕事を叩き込め』とばかりに会社内の清掃や機材管理などを半年ほどやらされることになりました

 その後も同期がADを2年程経験してディレクターに昇進していくなか、結局、自分は4年間もADをやることに……。終わりが見えなかったので、当時は心底辛かったんですけど、番組制作は細心の注意を払うべき仕事なので、今となっては下っ端を長く経験できてよかったかなと思います」

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