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非モテ男5人がマッチングアプリに挑戦。早くも明暗別れる展開に<連載>

暮らし

with担当・N谷:早速メッセージが来る

◆ N谷(30代)

with画面

プロフ画像は真剣にセレクトした

 登録から数時間後、「ピコン!」とスマホが鳴った。33歳で医療系の仕事をしている女性から「いいね!」が届いていた。芸能人ののんに似た結構な美人。メッセージを送ろうとスマホのキーボードを叩こうとしたら、いきなり画面が切り替わった。

「トーク開始はマッチングから3時間以内に!」

 慌ててキーボードをクリックすると、「1カ月4,200円」「6カ月17,800円」などの料金一覧の画面に突如切り替わった。メッセージを送りたければ、金を払えとのこと。このタイミングで課金を迫るとは、絶妙……。しかも3時間を過ぎると「女性の返信率がガクンと減少(with運営調べ)」の文言とともに、数値不明の折れ線グラフまでご丁寧に用意している。ここまでコマを進めたら、課金しようと思うのが人情だろう。幸い、私は前述の通り編集部がアプリ代を払ってくれるというので、躊躇なく半年契約を課金。相手のプロフィールを流し読みし、差し障りのなさそうなトークを開始した。

「いいねありがとうございます! 普段は都内にいらっしゃること多いですか? ジムいいですね!」

 2時間後、返事が来た。

「こちらこそいいねして下さり、ありがとうございます。はい、だいたい都内にいますね。目黒・世田谷あたりです」(※メッセージの内容は、相手の特定を避けるため、文脈を損ねない程度に適宜改変します)

「こちらこそ、いいねありがとう」という言い回しには、何となく、「私は選ばれた側なのだ」という余裕の見せ合いマウントのようなものを感じなくもない(考えすぎか?)。コロナの影響で、最近はジムにはあまり行けてないという。へー、そうなんだ。ジム、行けてないんだ、ふーん。そうか、そうなのか……以上!!

送ったメッセージは悪い例そのものだった

 これはまずい、っていうか難しい。顔写真とプロフィールだけの断片情報をもとに、チャットで会話を続けるのは、非常に骨が折れる。いきなり食事に誘うのもガッツいてる怪しいヤツだと思われそうだし、かと言って、いきなり天気の話をするのもなあ。しばし熟考していたら、“トークアドバイス”なる画面が出てきた。読むと、1通目のメッセージによる第一印象が非常に重要だという。悪い例として書かれていたのは、次のようなものだ。

・・・・・・・・・・
「よろしくお願いします」(←何を話ししたいのか伝わってこない)

「はじめまして! 僕も東京在住なんですが、○○さんはどこ住んでるんですか?」
(←いきなりプライベートな質問)

「○○ちゃん、よろしくー! 良かったらトークしよー!!」
(←距離感が近すぎる)
・・・・・・・・・・

 げっ、住んでる場所聞くのはアカンのか?? 何も住所の枝番号やマンション名まで聞き出そうというわけではなく、ざっくりとしたエリアを聞いて、そこから話題を広げられたらと思っただけなのだが。

 素性のよく分からない相手とのチャットは、なんとも話がしにくい。そもそも興味も湧きにくい。だが、これを乗り越えなければ、先へ進めない。こうして私は、スマホ画面に向かってしばらくの間、格闘することになった。

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