インパルス堤下敦「ダメな自分に正面から向き合いたい」
「自分のポジション」を見つけて
――キングコング梶原さんの『カジサックチャンネル』では、キングコングとともにレギュラーだった『はねるのトびら』(フジテレビ系、2001年4月~2012年9月放送)の話にもなりました。
堤下:僕は(インパルスで)コントやってたので、番組でも初期はコントのツッコミに選ばれることが多かった。でもトーク、イベントの回しは西野(亮廣)のほうが向いている。僕は人の話聞くの得意じゃないんで。
(番組は)視聴者の方がわかりやすくないといけないと思うんです。だから、この番組の看板MCは西野だということを明確にすることが、番組が長続きする秘訣なんじゃないかなっていう話は、演出の近藤(真広フジテレビプロデューサー)さんたちともしましたね。そもそも、西野のほうが圧倒的に華があるので。僕はメインを張れるような人間じゃないし。
前に出たいだけが芸人じゃない。自分のポジションが見つかれば、そこにずっといられるんですよ。例えば出川哲朗さんは、本当に唯一無二。その後を追いかけても絶対ムリ。近づくことはできるけど、抜くことはできない。だから、適材適所ってことなんじゃないですか。
ビジネスにおいてもそうだと思います。自分の場所さえ見つけちゃえば、ね。だから僕、『はねトび』の11年半、すごく楽しかったですよ。暴れてもいいし突っ込んでもいいし、滑ってもいいし(笑)。なんでも笑いになるポジションだったので。
「ダメな自分」に正面から向き合える自分でいたい
――コンビとしてのお仕事にも期待する声は多いです。
堤下:板倉(俊之)さんの僕に対する信用値、バリューが上がれば、必ずそういう仕事ができると思っています。復帰から3年経っているんですけど、まだまだ反省途上中なんです。
(人前に)出れば出るほど、反省しなきゃいけない。見られれば見られるほど、反省しているかどうかという度合いが見る人に測られるんです。逃げるだけなら誰でもできます。もちろん本当に辛かったら逃げてもいいんだけど。
出るほうが変わっていけば、見るほうもきっと変わってくる。そして何をするにも、スピード感を持って、丁寧なレスポンスを続けていけば、興味を持ってもらえて、信用につながってくるんだろうなと思っています。
やらかしたひとが戻りたい場合、戻るための反省をするだけじゃだめで、戻ってから反省するほうが、“反省パワー”が強いはずなんです。人の目にさらされるから。それは社員5人の会社でもそうだと思う。何かやらかして戻った時に、8個の目にさらされているわけで、そのなかで頑張ってるなって、ちょっとずつ、ちょっとずつ、0.1ミリかもしれないけどちょっとずつそう思われていって、人は歩んでいくんだと思うんです。