「M-1グランプリ」敗退しても痕跡を残した2組。アツかった“非吉本勢”
「M-1王者」もハマった“非・吉本芸人”
M-1グランプリ敗者復活戦、投票してくださった方々ありがとうございました!復活はならずでしたが、今年のM-1きっかけで僕らと出会って下さった皆さんの気持ちは、そのまま来年に持って行かせていただきます。
M-1は来年優勝。それでは、単独の準備に集中します。 pic.twitter.com/vyAuO2c1nf
— キュウ ぴろ (@piroguramu) 2020年12月20日
もうひと組、独特のスローテンポな漫才で会場の空気を一気に引き込んでいたのが「キュウ」。「ヨーグルトって美味しいよな」と、テーマを決めて会話を広げていく漫才の典型的な入りかと思いきや、返しがすべて「ゴ・リ・ラのあいうえお作文」という斬新なネタを披露(締めの言葉も「ご覧の皆さんの投票で リベンジさせてほしい 来年じゃなく今日の決勝で」)。
後のフリートークでは、同じタイタンに所属する先輩・長井秀和の往年の決めゼリフ「間違いない!」を繰り返し、客席のみならず芸人からも笑いを取っていた。
彼らのもろもろの世界観を体験したゲストの銀シャリ・橋本が「キュウとランジャタイのツーマンライブがあったらチケット買って絶対行きます」と評していたように、決して“非・吉本芸人”というマイノリティ側だからここで取り上げているわけではない。M-1チャンピオンでも一目置くポテンシャルを秘めているということだ。
ナイツの塙宣之は、著書『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(集英社新書)で「M-1は『吉本流』の大会です。したがって、他流派にも門戸は開きますが、ルールはうちの流儀のものでいきますというのは当然だと思います」と記していたが、今年の混戦具合、そして敗者復活戦でのインパクトを鑑みるに、来年“非・吉本芸人”の一撃があってもなんらおかしくはない。
<TEXT/東田俊介>