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味の素、コカコーラetc. 食品・飲料業界で「待遇への満足度」が高いトップ9

ビジネス

「食品・飲料業界」上位9社の比較結果

 ここで、まとめに入ります。口コミ数上位9社の比較結果を表にまとめるとこのようになりました。「OpenWork」内の情報(残業時間・有休消化率)と、各社の有価証券報告書・決算短信・公式サイト掲載のデータ(収益・当期利益・平均年収・従業員数)を使って比較してみます。

食品

表:食品・飲料業界上位9社の比較表(筆者作成)

 食品・飲料業界の場合、非上場の企業(日清医療食品・日本食研)であっても売上額・従業員数が掲載されていたため、比較しやすい状況でした。そして、今回新たに記事中で比較した「法令順守意識」「待遇面の満足度」スコアの「順位」も掲載しています。ランキング圏外になっている企業が思いのほか多いことにお気づきでしょうか。

 各社の特徴をさらに把握するために、クチコミのうち、「企業分析[強み・弱み・展望]」カテゴリを中心に各社の花形事業など、各社の特徴・カラーがわかるクチコミを集めました。

【日本たばこ産業(JT)】
(たばこ事業本部、商品開発、課長代理、在籍20年以上、男性)
強み:今のところ、財務体質が強い。やはり政府が株を持っているのは大きい。コンプライアンス遵守に相当力を入れている。
弱み:たばこ以外に有望な事業が育成されていない。たばこ税上昇が将来にわたりある。国内たばこの売り上げがどんどん落ちている。
事業展望:今後も加熱式たばこに力を入れて行くと思う。また医薬事業も当たれば大きな屋台骨になると思う。

【コカ・コーラボトラーズジャパン】
(製造、在籍10~15年、女性)
強み:ネームバリュー。
弱み:ネームバリューに胡座を描いていて、挑戦的な新製品を作り出せない。
事業展望:アルコール飲料を出したのは良かった。ただソフトドリンクはもう少し頑張らないと競合には勝てないと思う。

【山崎製パン】
(製造、在籍5~10年、男性)
強み:パン業界では圧倒的1位のシェアなのでつぶれることはないと思います。また、常に人手不足なので解雇される心配もないと思われます。
弱み:入社する人も、辞める人も多い。
事業展望:国内から海外に出る必要があると感じる。

伊藤園、キリンビール、日清医療食品

お~いお茶

※伊藤園「お~いお茶」公式サイトより

【伊藤園】
(開発部、研究開発職、在籍5~10年、女性)
強み:緑茶については他社との間に圧倒的な技術力・研究力・原料調達力の差がある。
弱み:お茶の飲料のブランド育成力が弱い。
事業展望:緑茶の機能性については海外からの注目も厚くまだまだ伸びるカテゴリであると思う。

【キリンビール】
(MD、在籍5~10年、男性)
強み:所属部署は量販店が取引先だったので、家飲み需要がある現在の状況はプラスです。
弱み:酒全体では成長市場ではない為、シェアが重要。
事業展望:税率が変わっていくのでカテゴリによって力が入るタイミングが変わって行きます。

【日清医療食品】
(調理師、在籍5~10年、男性)
強み:企業自体が大きいので基本的な福利厚生は完備されており、リストラになることはないと思います。
弱み:病院や介護施設等の厨房業務の為、求人自体にあまり人気が無く、人手不足が慢性化しているのにも関わらず契約件数は増やすので、改善もなにもあったものじゃない。
事業展望:病院や介護施設等の厨房業務で無くなる事はなく、高齢化社会の影響でこれららも増えていくでしょうから仕事が無くなる事はない。

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