TOEICで935点マークした社長秘書「仕事でも役立つ勉強法は」
多くの企業が社員の採用や昇進、海外赴任の際の選別基準にもしている「TOEIC」。英語の能力を測る「ものさし」として日本では広く普及しています。
しかし、ビジネスの現場では「TOEICが900点超えていても英語がぺらぺらではない」「TOEICの点数と現場の英語力は別物」といった声も聞こえます。本当にTOEICの点数を上げればビジネスに役立つのでしょうか?
先日、発刊された『TOEICⓇ頂上作戦! プラチナ英単語830』(扶桑社)の著者であるTOEIC900点倶楽部のメンバーにTOEICをいかに実際のビジネスに役立てるかを語ってもらいました。
第1回目は外資系企業などで働きながら2009年にTOEIC 935点をマーク、現在は社長秘書兼外見イメージコンサルタントとして活躍する竹内やよいさんです。
リスニングを究めればスピーキングも上達する
――就職や転職の際に有利に働くというTOEICのハイスコアですが、本当にビジネスの現場で使えるのでしょうか?
竹内やよい(以下、竹内):私の場合は、ビジネスの現場でも役に立つと感じることが多かったですね。特にTOEIC L&R(リスニング&リーディング)で高得点を狙うためには、グラフや表など数字がたくさん入った英文問題が出題されるPART7の英文の内容をいかに短時間で把握し、解答するかという「処理能力」が試されます。
実際の仕事の場面でも、表やグラフは使うことが多いので、こうした資料にさっと目を通して内容を理解し、同僚や上司に伝えたり、または打ち合わせで意見交換をすることがスムーズにできると、PART7の演習をしっかりやっておいて良かったな、とつくづく感じます。
――TOEIC L&Rのテストは「リスニング力」と「リーディング力」で得点が出ます。「TOEIC高得点=英語ぺらぺら」というわけではないですよね?
竹内:確かに、英語を発信する力は、同じTOEICでもS&W(スピーキング&ライティング)テストの試験対策をしないと力はつきません。
でも「英語をしゃべる」のと「ビジネスで英語を使う」というのは別物です。たとえば、私は昔、ワーキングホリディでカナダに1年間滞在した経験があり、その時は英語ができるような気になっていました。
でも、単なる会話はできても、ビジネスで使えるような総合的な「英語力」が高くなったかというと、そうでもなかったと思います。それは、帰国後、英語を使う仕事に実際に就いたときに痛感しました。
その点、TOEIC L&RのPART3(複数の人の英会話を音声で聴いて問題に答える)を何度も繰り返し解いて、正確に「会話を聞き取れる」ようになれば、練習次第で、その会話を自分でも「話せる」ようになるものです。聞き取った英語を自分でも実際にしゃべってみることで、総合的な会話力がアップします。