「専業主婦になるの?」余計なひと言で彼女との関係悪化を悔やむ31歳
結婚の話をされ覚醒した彼女
「彼女は見込み客にメールでアプローチなどを行う、インサイドセールスの担当だったんですが、上司に掛け合ってフィールドセールスをやるようになったです」
フィールドセールスは、対面で行うタイプの営業のこと。内村さんの会社の場合、高度な商品知識や業界知識などが必要になる単価の高い商品を扱っているため、成果に対するインセンティブも多いそうです。
「それからの彼女はスゴかったです。上司や結果を出している先輩に頼み込んで一緒に回らせてもらい、瞬く間にノウハウを吸収して、半年も立たないうちに僕を上回る営業成績を出したんです。さらにその半年後には営業成績で3本の指に入るまでになりました。会社としては予想外のことだったらしく、役員クラスの人間まで彼女のことを褒め称えるほどでした」
仕事上での変化は、2人の関係にも大きな変化をもたらせることになります。
営業スキルに加え容姿も変わっていく
「仕事で充実するようになった彼女に結婚の話はできなくなりました。僕としては、今も彼女に家庭に入って欲しいという思いがあるのですが、それを言ってしまうと、関係が壊れてしまいそうな怖さがあるんです。遠回しに聞いたこともあったんですが、話の流れを察知した彼女に『今は仕事が楽しいから』と冷たい笑顔を返され、一方的に話を打ち切られてしまいました」
また営業スキルを向上させる一環で、彼女は今まで以上に容姿に気を配るようになったんです。それまではどちらかというと地味で保守的なイメージのルックスでしたが、身体のラインが出るようなタイトな服や、目立つ色使いの服も選ぶようになったんです。元からスタイルも良かったので、周りの男性社員から称賛の声が上がるようになりました」
一見前向きに受け止めるべきことなのかもしれませんが、内村さんは現在進行形で苦しんでいるようです。
「努力する姿を見ていて、以前よりも彼女に惹かれている自分がいるんです。でも最近はどこかに行こうとしても予定さえ合わせてくれないんです……」
内村さんは、結婚どころか、このまま別れることになってしまうのではないかと不安な日々を送っているそうです。
<TEXT/和泉太郎 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>