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250万人が視聴。初の無観客「東京ガールズコレクション」をチーフPに聞く

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テクノロジーをフル活用し、新しい体験を

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オープニングステージではXR技術を使って、客席に無数のペンライトを出現させる演出を行った。オンラインでも出演者と観客が一体となるよう意識したという©マイナビ TGC 2020 A/W ONLINE

 また、株式会社IMAGICA EEX協力のもと、最新のXR技術(現実と仮想空間を融合させる技術の総称)を使った演出にも注力。TGCの新たな可能性を見越した挑戦も行えたという。

毎年、TGCのオープニングは熱狂の渦が巻き起こり、ボルテージが上がる瞬間なんです。ただ、無観客開催なので会場はどうしても空虚に感じてしまう。そこで、XR技術を活用して会場全体にペンライトを振る映像を映し、満員の観客の中でTGCが行われているような演出を行いました。

 また、マイナビウエディングステージではXR技術でチャペルを投影し、元サッカー日本代表GKの本並健治さんと、元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんのサプライズ結婚式の祝福に華を添えることができました」

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TGCでサプライズ挙式をあげた本並健治さんと丸山桂里奈さん。巨大なクリスタルのチャペルをXRで演出し、結婚を祝福した©マイナビ TGC 2020 A/W ONLINE

仮想空間にランウェイができた!

 さまざまなテクノロジーを駆使し、新たなイベントのあり方を提案するTGCは、まさにイベント業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引する存在と言えるだろう。“リアルより楽しいかもしれないTGC”と銘打った「バーチャルTGC」では、アバターを用いたリアルとバーチャルが融合したコンテンツを提供し、「アフターコロナを見据えた新しいエンターテインメントを模索した」と、池田氏は語る。

「正式リリースは来春を目指していますが、今回はβ版を体験してもらおうと試験的にTGCファンクラブ会員とチケット購入いただいていたお客様に限定して体験いただきました。

 仮想空間上では、アバターがランウェイを歩くことができたり、友達同士でチャットを楽しみながらTGCを観ることができたりと、没入感を楽しめるコンテンツとして提供しました。改善の余地はありますが、今後は物販ブースを作ってECで販売したり、モデルと仮想空間上で交流できたりと、コンテンツを拡充していきたいです」

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株式会社FIXERと共同開発している「バーチャルTGC」のβ版。TGC会場をイメージしたバーチャル空間はリアルと連動しており、会場にいるかのような臨場感を味わえる

 こうした最先端技術の活用や飽きの来ないメリハリをつけた演出が功を奏し、LINE LIVEでの視聴者数は163万人、全世界に向けて発信したYouTube LIVEでは85万人と、のべ約248万人もの観衆が視聴したのである

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