若手教員がパワハラ主任に逆襲。「体罰動画」を匿名メールで拡散
今や、一定規模以上の企業ではよく実施されている管理職向けのハラスメント研修。しかし、学校などの教育機関では必ずしも行われているわけではありません。
「学校教員の研修はどうしても対生徒に特化したものが多いです。そうした環境だから、民間企業なら完全にアウトなセクハラやパワハラが今だに横行していたりします」
善意で引き受けたのが間違いだった
そう告白するのは、私立高校教師の島谷大輔さん(仮名・28歳)。実は、彼自身も2年ほど前まで教科主任からのパワハラに苦しんでいたといいます。
「相手は私が赴任1年目から3年間、副担任を務めたクラスの担任教師のサトウ先生(仮名)。一般企業のような新入社員研修はないですし、授業やその準備以外にも、教員としての膨大な雑務を仕事をしながら覚えていくほかありません。サトウ先生はそんな私に最初はすごく丁寧にいろいろなことを教えてくれました。けど、彼は次第に自分の仕事の一部を『ちょっと手伝ってくれないか?』と一方的に私に回してくるようになったんです」
それでも、右も左もわからなかった島谷さんに仕事をアドバイスをしてくれたのは事実。その恩を少しでも返したくて、言われるがままに頼まれる雑務をこなしていました。ところが、従順なのをいいことにサトウ先生は、さらに大量の仕事を押し付けてきたそうです。
キャパを超える仕事を押し付けられ…
「自分のクラスで配布するプリントなんかもざっくりとした指示だけで、ほとんどを私が作るようになっていました。担任不在の時以外、私がホームルームに行くことはないため、生徒たちも私が作ったプリントとは思っていなかったはずです。さすがに私もアレッ? と感じることがいくつもあって、いいように利用されているんじゃないかと思うようになったんです」
ただでさえ教師は仕事量が多く、そのうえでクラス担任に命じられた仕事もこなしていた島谷さん。学校だけでは仕事を終わらすことができず、自宅に持ち帰って仕事を続けていました。
そのため、平日は力尽きて自宅のベッドに潜り込むような日々。仕事終わりにどこかに寄ったりプライベートを楽しむような余裕はまったくありませんでした。