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パワハラ上司にミスを押しつけられて退職し…「ささやかな仕返し」でスッキリ

学び

折り合いをつけていたつもりだったが…

「けれど、保身のためか、担当者の名前は私になっていたんです
ミスがわかったとき、Wチェックで気づかなかった上司の監督責任も問われますが、自分が犯したミスを認めるよりは体裁がいいですよね。

 おかげで部長からは怒られ、取引先にも謝罪へ伺うことに。上司は上手く立ち回って、ミスをした部下をフォローするという役柄を演じきっていました。まったくひどいもんですよ」

 部署の仲間は上司の仕業だと気づいていて慰めの言葉はかけてくれたそうですが、事実を一緒になって暴こうしてくれる者は皆無。上司に目をつけられるのを恐れていたといいます。

「社内的には自分のミスとなってしまったことで査定を下げられ、その年の夏のボーナスは前の年よりも10万円近くも減ってしまいました。ただのパワハラで済んでいるうちは、私が耐えられる範囲ならなんとかなりましたけど、人のミスを勝手に押し付けられるようになるとどうしようもありません。ここまでされては働き続ける気も失せてしまい、会社に辞表を提出しました」

ささやかな仕返しとは?

電話をかける

 退職して家業を手伝うことにした桜田さん。出社最終日、上司は今まで見せたことがないような笑顔で桜田さんに「今までお疲れ様」と言ったそうです。このときのことを「死ぬほど悔しかった」と振り返りますが、それから1か月と経たないうちに留飲を下げる機会が訪れます。

「上司から電話があり、私が担当していた案件について質問されたんです。引き継ぎはちゃんと済ませており、質問の件も資料を確認すれば分かる内容です。

 けど、上司はまだ私が自分の部下であるかのような命令口調の態度だったことに腹が立ち、『資料を読んでいただければ分かるはずです。私はもうあなたの部下でもなければ、そちらの会社の人間でもありません。名前を呼び捨てにされて不愉快です』と言って電話を切ってやりました。ささやかな仕返しかもしれませんが、おかげでスッキリしました(笑)」

 彼には家業という道があったからよかったですが、普通のサラリーマンであれば簡単に辞めるわけにもいきません。自分の上司が彼の上司のような問題だらけの人物でないことを祈りたいものです。

<取材・文/トシタカマサ イラスト/田山佳澄>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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