51万人が学ぶオンライン学校から「コロナの講義」が減ったのはナゼ
新型コロナウイルスの感染拡大により、オンライン上で提供されるさまざまなサービスが注目されるようになった。登録者に向けて365日“学び”のコンテンツを配信し続けている「Schoo(スクー)」。
ビジネススキルや思考法、フィットネスなど幅広いジャンルのコンテンツが並ぶSchooで企画などを手がける株式会社Schooのコンテンツ部門責任者・中西孝之さん(@doyanishi)にユーザーの動向や制作の裏側を聞いた。(インタビューは2020年7月)
減りつつある学びの機会を作りたい
Schoo創業のきっかけは「創業者が会社員時代にeラーニングの動画を観たこと」だという。中西さんが語る。
「代表取締役 CEOであり創業者の森(健志郎)は、講師が一方的に受講者へ語りかける内容をみて『ダサい』と感じたようです。自分なりに『もっと上手くオンラインで“学び”を提供できれば』との一心で、2011年に独立して会社を立ち上げました」
「世の中から卒業をなくす」をモットーにサービスを展開しているそうで、社名が「School」から「l」を取った形になっているのもその理由からだとか。現代は社会人にとっての“学び“の場がなくなっていると日々痛感しているという。
「例えば、世間的に飲み会をなくそうとする動きもありますが、そうした場で先輩の話を正直『うっとうしいなぁ……』と思いながらも、聞いてみると意外と面白かったという経験もあるはずなんですよ。ただ、世の中の変化により機会がだんだんと減りつつあるのであれば、自分たちから作っていこうと考えています」
通勤時間を動画視聴の時間に
個人向けと法人向けにサービスを展開し、2020年8月末の時点で、ユーザー数は約51万人に。コンテンツは様々だが、ここ最近で人気のコンテンツはコロナ禍で職場がリモート化したのを受けて、チャットでのコミュニケーション方法を伝える動画の閲覧数が増えたそうだ。
「この先の金融危機や不況を見据えて、資産形成に興味を寄せるユーザーも多くなっている印象です。一方で、テレワークにより出勤が不要になったおかげか、“朝活”として動画を楽しむ人たちも目立っています。日本経済新聞を最速で解説する動画などは人気で、自宅での仕事にリズムを付けるためにも、例えば、月曜日の9時から9時45分までにビジネス系の動画を見て、1週間のスイッチを入れるような使い方をしている方もいますね」