大仁田厚、全否定され続けた人生「だったらお前がやってみろ」
「だったらお前がやってみろ」と言いたい
――火花と血しぶきが飛び交う電流爆破で満身創痍です。怖くはないですか。
大仁田:そりゃあ、怖いに決まってるだろ。指が半分ちぎれかけたこともあるし、生死の境をさまよって気管切開までしているんだぜ。見た目は切り傷の方が痛々しいけど、実は火傷の方が半端なく痛かったりもする。でも、苦労したとかは全く思わない。もう電流爆破は一心同体みたいなものだからさ。人生そのものだよ。俺のことを全否定するヤツもいるけど、「だったらお前がやってみろ」って言いたいね。
――著書では「電流爆破で人間の器が分かる」とも語っていますね。
大仁田:数多くのレスラーと電流爆破マッチを繰り広げてきたけど、本当にそうなんだよ。人間性が丸裸になるんだ。高山善廣選手は恐れることなく頭から突っ込んでいった。天龍源一郎選手も逃げなかった。曙選手なんか火の玉でも爆破でも正面から受けていた。尊敬に値する選手たちですよ。でも、長州力は違った。1回も被爆しなかった。
長州力とは“辞書”が違う
――長州さんとの対戦は2000年7月30日、横浜アリーナでの電流爆破デスマッチでした。長州さんを被爆させようと思ったらできたのでは。
大仁田:全日本と新日本の違いもあったと思うけど、俺と長州ではもう“辞書”が違うんだ。全日本はまず技を受けるんだよ。不思議なもので、俺も体が覚えているから、いつも自然と受けてしまうんだ。でも、長州は真逆で自分の強さを表現するためなのか、受けないんだ。あんなのウソの塊で偽物だよ。
引退と復帰を繰り返す俺に「二度とリングをまたぐな」「バラエティーに出るヤツはクソだ」って言い放ちやがったけど、お前だって2回も引退しているし、今ではバラエティに出演してるじゃねえか。言っていることと、やっていることが違うだろ(笑)。