先輩に同じ言葉を返信！

　ある日、LINEでGさんが会社の愚痴をこぼしたとき、宮崎さんはGさんに言われた「普通はそんなことを気にしない」という言葉を返しました。すると、明らかにGさんはイラッとした様子だったといいます。

「それからもなにか言われたらG先輩が言うみたいに『普通は』って言葉を使って、ちょっとした反撃をしてみたんです。そしたらG先輩は怒って文句を言ってきました。だからそこで『先輩にされていたことをそのまま返しただけ』だと伝えたんです」

　宮崎さんが怒るGさんに反論すると、それ以降しばらく連絡が来なくなってしまいました。宮崎さんは大学時代から続いた関係が終わってしまうかもしれないと考え、少しヒヤヒヤしていたそうです。

「普通」の使い方を考えよう

　最後にLINEをした日からちょうど1週間後、ようやくGさんからの返信がきました。宮崎さんがおそるおそる内容を見てみると、そこには謝罪と普通という言葉を使ってしまった理由が書かれていたのです。

「実はG先輩も会社の先輩に『普通はこんなミスしない』とか『普通は簡単にできる』などと言われ続け、ちょっとおかしくなっていたそうなんです。俺が反論したことで自分も普通という言葉を使われて嫌だったことを思い出してくれたみたいで」

　それ以降、Gさんはもちろん、宮崎さんも普通という言葉の使い方について考えるようになりました。今ではネタで『普通』という言葉を使うことはあっても、自分の価値観を押し付けたり相手の気持ちを押さえつけたりしるような使い方はしないよう気をつけているそうです。

＜TEXT／つる＞