1冊30分で読めて忘れない。速読とは違う、仕事ですぐ使える読書法
まずは明確な「目的」を
――「脳を味方につける」とは、一体どういうことなのですか?
上岡:たとえば、ずっと抱えていた疑問が、ふとした瞬間にピンと来て、一気に「分かった!」となる経験は誰にでもあると思います。答えを求めてアンテナを張り続けていれば、ヒントを見逃さず探し当てることができるということです。
読書も同じです。目標や課題がはっきりしていればいるほど、解決へのとっかかりが目につきやすくなります。「高速読書」とは、人間の脳の仕組みを利用して、読書の効率をアップする方法です。それに、ただ速く読めても、目的がなければ何にもなりませんよね。
――事前に準備するものはありますか?
上岡:必要な道具は2つだけ、ノートとタイマーです。まず、ノートにあなたの目標や課題を書き出してください。テレワークに役立つスキルを習得したい、Web会議で緊張せずに話をしたい、リモート営業の方法を編み出したい……いくつでも構いません。なるべく具体的に書くのがポイントです。目的を明確にすれば、読むべき本も自然と脳が見つけ出してくれます。
常に頭の中でつぶやきながら読む
――ここでも「脳」を利用するんですね。では1冊3回30分の内訳は?
上岡:1回目は15分、2回目は10分、3回目は5分で読んでしまいます。合計30分。ここで生きてくるのが、ノートに書き出しておいた目的です。
何のために読んでいるのかを常に頭に置いておくことで、脳の自然な働きによって、必要な部分は自然と目に留まり、逆に、不必要な部分は読み飛ばせます。「つまり何?」と、常に頭の中でつぶやきながら読み進めていきましょう。