コロナ大不況に備える「会社員の生き残り策」をビジネス賢人に聞く
新型コロナウイルスの猛威は、経済にも及ぶ。資金繰りに窮する企業や個人事業主のみならず、会社員にも多大な影響を及ぼしそうな情勢だ。価値観や生き方すら変えかねないアフターコロナの荒波をどうかいくぐればよいのか――。各分野の賢人たちに生存戦略を聞いた。
世界的大不況を目前にして、どう立ち向かうべきか
新型コロナウイルスの世界的流行によって、確実視される大不況。もはや逃れられないこの現実に、どう立ち向かうべきなのか。
「投資の神様ウォーレン・バフェットが5兆円の損失を出し、航空株をすべて売却したことは世界に衝撃を与えました。投資の神すら予測できない事態に直面しているのだから、これは相当に深刻です。航空業界は言わずもがな。輸送、交通、物流など経済の生命線への打撃はすさまじい。
せっかく高付加価値産業へとシフトチェンジが進んでいた農業や養殖などの1次産業、またそうしたところに貸し付けを行ってきた地場金融機関も沈没していく気配が濃厚です」
沈痛な面持ちでそう語るのは、作家で投資家の山本一郎氏。これまで盤石とされてきたインフラ業界すら危機的状況となれば、小売りや飲食といった小規模事業者はひとたまりもない。
正社員ならば、とにかく今は会社にしがみつくしかない
「私は震災後、福島県の各種産業の復興プロジェクトをいくつも見てきましたが、局所的な経済困難地域を立て直すのでさえ6年かかりました。今回はそれが全国規模で起きたと考えると、もはや生活防衛すら最適解がない。不安やストレスから国を無策と批判する気持ちもわかりますが、医療、教育、インフラ、金融の分野を優先して維持しなければなりません。
民間企業への支援が後回しになるのは仕方なく、夏を迎える前に経済的な本当の危機が訪れるでしょう。正社員ならば、とにかく今は会社にしがみつくしかないと思います。ただ、その先はわからない。個々人がスキルを棚卸しして、人生設計を見つめ直さなければ生き残れません」(山本氏)
アメリカでは4月の雇用統計で失業率が14.7%と第2次世界大戦以降、最悪の数字が出た。リーマン・ショック後ですら10.2%だったことを考えれば、多くの日本企業が第1四半期決算を行う6月末を待つまでもなく、雇用の悪化は不可避だ。
■ 山本氏のコロナ後の予想:本当の危機は、夏を迎える前にやってくる!