内定先の「オタク度を競い合う社風」にドン引き。新入社員が自作PCを作らされ…
機械が苦手な理系男子。失笑の的に
まさに危機一髪な状況の吉村さんを見て、だれか手助けをしてくれる人はいなかったのでしょうか?
「職場は事務の女性以外は、全員男性。周りは失笑しながらも一切手助けをしてくれませんでしたね。できあがったパソコンを見て『こんなスペックのCPUクーラーだから音がうるさいんだよ』って言われました」
せっかく完成したのに、成果を認められるわけもなく、酷評されたそうです。
「社内には、マザーボードの基盤を見ただけでどこのメーカーのものかわかる人とか、机の上に何台もジャンク品で作ったパソコンが置いてある人もいるんです。僕のPCなんて『ニゴロ(=256GB。データ容量が少ない)だろ』と言って笑われたり、『俺が高校生のときに作ったPCレベル』と言われました」
理想の“おしゃれな仕事”とは真逆で…
吉村さんが想像していたガジェットやパソコン関係とは、おしゃれな家電や、便利なアプリの紹介をすることだったといいます。
「思い描いていたものとはまったく違う世界でしたね(苦笑)。パソコンの周辺機器や、ディスプレイの解像度、通信速度など強いこだわりのある人向けの編集部でした。それに対応できるレベルの人って、キャラも濃かったりするんですよ。
机の上がクレーンゲームで取れるゲームキャラクターの人形でいっぱいになっていたり、席がすぐ隣なのに、全部社内用メッセンジャーで会話を送ってくるような、コミュニケーション能力の低いタイプだったり。
あるいはメッセージの最後に『www』とか書いてある人や、スマホの着信音をわざわざゲームのBGMに変えている人とか……。ファッションも、よれっとしたTシャツや、何年モノだよっていうチェックのネルシャツとか、清潔感のない人も……」