コロナ禍で「五月病にならない」ために。産業医が教える処方箋
ストレスを解消するはずの行為が消滅
不安やストレスは、溜まるほど解消が難しくなり、知らず知らずのうちに五月病の原因、すなわちメンタルヘルス不調の原因になってしまいます。
職場での何気のない同僚との会話や、オフ時間の気を許せる友人たちとの食事など、普段は普通にあったことが、新型コロナウイルス 感染症対策のためになくなってしまった2020年は、多くの人が気心許せる人たちとの交流不足になっています。
ぜひこのことを認識し、LINEやZoomなどオンラインでもいいので、普段以上のコミュニケーションを意識してください。
5月病の原因となるもうひとつの原因は、自分および、相手に対する“高すぎる”期待です。
自分への高過ぎる期待はストレスに
新年度が始まると、多くの人は気持ちを新たにし、自分自身に期待をかけます。お稽古事や自己研鑽は、思った通りにうまくいけばいいのですが、上手くいかない場合もあります。そのときに、すぐに諦められる人はいいのですが「自分は頑張りが足りないからもっと頑張らなければいけない」と考え、自分をもっと追い詰めてしまう人もいます。
言うまでもなく、自分に高い期待値をもつことは大切です。しかし、ときには柔軟に考えることも大切です。特に今年のように、異例尽くめの状況では、この異例な状況に適応するだけで精一杯、たてた目標や計画にそって行動ができていない人も多いはずです。
自分の心や体における不調の兆しに気付いた場合、原因に高すぎる期待値がある可能性もあります。そのようなときは、今年はしょうがないとぜひ、ゴール設定を下げる勇気をもってください。