「同期が1年で半分以下に…」保育士が語る、ハードすぎる勤務実態
少子化が加速しているものの、共働きを望むイマドキ夫婦にとって、保育園に入園できるかどうかは、まさに死活問題。
待機児童については、ニュースやSNSでたびたび話題となっていますが、残念ながら解消される気配はありません。保育士の過酷な労働環境が改められ、高い離職率に歯止めをかけない限りは現状は変わらないのではないでしょうか。
手に職をつけるために保育士の道へ
「子どもの頃から、母親に『なにか手に職をつけなさい』と言われて育ちました。看護師、保育士と迷ったのですが、血を見るのが苦手だったのと、子どもが好きだったので保育士の資格が取れる専門学校に通いました。就職して、まさかこんなにハードだとは夢にも思いませんでした」
そう語るのは、都内にある大型保育所で働いている奈良岡香織さん(仮名・24歳)。まだ保育士歴2年目ですが、早くも退職を考えているそうです。
「とにかく時間外労働が多いんです。新人の保育士がエントランスやエレベーターホールに、節分だったら鬼のお面を、入園式のシーズンだったら『おめでとう』というプレートや造花を飾るという暗黙のルールがありました。もちろん残業代は一切出ないので、慈善事業に近いです」
持ち帰りの制作物で散らかる自室
確かに、何気なく見ている制作物の数々は、手作りのものがほとんどです。
「夏祭りや運動会のような、季節の行事が立て込む時は数がハンパないですね。園に残ってちまちま作ったりもしますが、結局は持ち帰って作業することもザラです。自分の部屋は色画用紙や折り紙で散らかりっぱなしですね」
複数経営する大手から、アットホームな家族経営まで様々な形態がある保育園。労働環境にもばらつきがあり、作業の効率化が進む園もあれば、いまだにプリントされた紙に送迎時間などをわざわざ手書きする園もあるのだとか。