おひとり様炊飯器が爆売れ…サンコー「ニッチ家電」が生まれる背景
おひとり様向け家電を多数展開する背景
――前半の記事でレビューさせていただいたアイテムも皆ユニークですよね。
﨏:焼き鳥と焼き肉を同時に作れる「焼き物大将」は、じつは元は海外の製品で、それを日本向けに改良したものなんです。一昨年から販売している縦型の焼き鳥メーカーの反響が大きかったので、焼き肉が同時にできたらもっと楽しいだろうと発売しました。
保温プレートの「フードウォーマープレートミニ」は、ピザをおいしく食べるためのアイテムとして出したものです。
昔、コーヒーサーバーを保温するプレートがよく売られていましたが、食べ物の保温に使うには温度が足りない。この商品は、60~110℃とより高い温度設定が可能なので、ピザをはじめ幅広い食品の保温に使えます。
――「揚げもの亭」は、ひとり暮らしの自炊にも活用できそうです。
﨏:サンコーでは、おひとり様向け商品の展開に力を入れているのですが、「揚げもの亭」もそのひとつです。
ひとり暮らしで揚げ物を作るのは大変だし、キッチンが狭い方も多いと思うので、それならリビングで調理してしまおう、というコンセプトです。
調理家電以外でも、洗濯機やパネルヒーター式の掘りごたつなど、いろいろなジャンルでおひとり様向けのアイテムを展開しています。
2020年はネッククーラーの新モデルも
――調理家電以外の商品も含めて、これから力を入れたいものはありますか?
﨏:今年はオリンピックイヤーということもあり、昨年ヒットした「ネッククーラーmini」の改良版を発売予定です。
昨年夏に発売したときは本当に人気で、作っても作っても売れていく状況でした。フリマサイトで高額販売されてしまう状況もあったので、今年はけっこうな数を作って準備しています。
季節の悩みはどうにもならないからこそ、解決するアイテムを出していきたいと思っています。その他にも、現在15~20くらいのプロジェクトが動いています。それを実現化し、商品としてお届けできるように頑張っているところです。
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改めて同社の商品を見渡してみると、どれもユーモアがあって楽しく使え、なんらかの課題を解決できるアイテムばかり。まさに「おもしろくて役に立つ」を形にしている。そんな一貫したコンセプトを持っているからこそ、一見奇抜なアイデアに思える商品も支持されているのだろう。
<取材・文・撮影/酒井麻里子>