異端児だった姉がシングルマザーに…“優等生”の弟が焦る理由
姉に対する複雑な思いが去来する
麻美さんは、付き合っていた男性との子供を結婚しないまま出産。シングルマザーになった麻美さんは、以前より性格が丸くなっていて、両親と仲良く会話するようになっていました。直樹さんは、その変化にも驚かされたといいます。
「姉の子供は可愛いですし、姉と両親が仲良くしてるのも、良い変化でした。にもかかわらず、姉と子供に祖父の遺産を持っていかれるんじゃないか。そんなことを考えている自分がいたんです」
今までは「何かあっても最悪、親の遺産がある」という逃げ道がありました。が、両親が孫を溺愛し、そして麻美さんと仲良くしている様子を思い出すたびに、将来への漠然とした不安を感じるようになってしまったそうです。
相続問題できょうだいが険悪になるのは、よくあること。いつか骨肉の争いが起きなければよいのですが――。
― 特集・兄弟姉妹のトホホな話 ―
<TEXT/和泉太郎 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>