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コラム

廃棄するHDDはどうすればいいの?

ドリル

 今回の事件で、「消去」したはずのハードディスクにも、たくさんの情報が眠っていることが周知された。ハードディスクは寿命の短いパーツとしても知られる。故障もよくあることで、ざっくり「パソコンが壊れた」という場合、ハードディスクが原因である割合が非常に高い。

 では、我々はハードディスクを廃棄するとき、どのようにすればいいのだろうか。Microsoftは、自社のデータセンターで使っているハードディスクについて「4つに分割し、それぞれ別の国に運んで処理」すると謳っている。これだけの対策を本当にしてくれていれば安心だろう。

 家庭レベルでは、そこまでする必要はない。ハードディスクやSSDを「ゼロフィル」で消去すれば、99.9%復元不可能な、まっさらな状態にすることができる。

「クイックフォーマット」と「ゼロフィル」の違い

 今回の事件で問題になったのは、ハードディスクの内容を消去するにあたって、「クイックフォーマット」に相当する作業しかされていなかったことだ。これを紙の本にたとえていえば、目次だけを全部消して「なにもないよ」と書いただけの状態だ。だから、素直じゃない人(=ある種のソフトウェア)がページをめくったとき、中には変わらずデータが残されている。

 すべてのデータを確実に消すためには、ハードディスクのすべての領域を「0」で上書きする必要がある。この作業が「ゼロフィル」もしくは「物理フォーマット」と呼ばれるもので、すべてパソコン上で行うことができる。

 Windowsの場合には、Microsoftが公式に配布している「SDelete」というツールを使うことで「ゼロフィル」ができる。この方法で消去したディスクは「0」で埋められ、新品に似た状態になる。

 Macの場合は、「ディスクユーティリティ」でこれが可能。「セキュリティオプション」から「確実な消去」を選ぶことで、ハードディスクを復元不可能な状態にすることができる。

 ただし、一度でもこれを試みたら自力で復元することはまず無理。ハードディスクの中の大切なデータは、あらかじめ他の場所にコピーしておこう。

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