奨学金500万円の借金苦…30歳会社員がバイトで繰り上げ完済した方法
冬季限定バイトで毎年50万~60万円
「そのバイトとは、灯油の巡回販売。大きなタンクを積んだ軽トラなどで住宅街を走りながら移動販売するやつです。ストーブなどを使う冬場限定のバイトでしたが、そこは最低保証が日給1万円。一定数以上売れたら歩合給がプラスされ、土日祝もOKとありました。私は高校時代、ガソリンスタンドでアルバイトしていた時期があって、危険物取扱の資格を持っていました。だから、業務内容にもまったく抵抗はありませんでした」
勤務先の会社も条件付きで社員の副業を許しており、仕事のない土日祝のみと説明するとあっさり認められたそうです。
「灯油の移動販売は冬場限定で、アルバイトも毎年11月中旬~3月中旬の4か月だけ。働くのは基本的に週末で、会社が休みの年末年始には帰省せずに連勤していたので1シーズンで50万~60万円は稼げていました。仕事をしているうちに高齢者の多い住宅街はよく売れることがわかり、そういった地域を重点的に回っていました」
バイト代の8割を奨学金の返済に回した結果、なんと2年前に完済したというから驚きです。
「会社の給料やボーナスも少しづつ増えていたので、そっちの分からも返済に充てていたことも大きかったと思います。当時、交際していた彼女とできるだけ早く結婚したいという気持ちがいい意味でモチベーションになりました」
バイトは土日いずれか1日だけ
そのため、灯油の移動販売のバイトも終わり。二度とするつもりはないといいます。
「寒さが厳しい日は灯油が売れて歩合給が付きやすく、バイトとしては悪くなかったですけど、やっぱり土日はゆっくりしたいですから。遊ぶ金欲しさや貯金ではなく、奨学金返済が目的だったので未練も特にありません」
菊池さんの場合、副業するにあたって「本業に支障をきたすほどの無理をしない」とのマイルールを設定していたそうで。毎週土日のうち、いずれか1日しかアルバイトをしなかったのも自身が決めたルールによるもの。
なかには平日は会社、土日はバイトと無休で働き続け、身体を壊してしまう人もいます。これでは返済が滞ってしまう可能性だってあるでしょう。そう考えると、彼のやり方は賢いのかもしれません。
「自分の出勤ペースでも返済期間が大幅に短縮されることはわかっていたので、それを継続させるほうが大事だと判断したんです。まあ、本当は彼女とのデートや友達と遊ぶ時間が欲しかったというのもありますけどね(笑)」
最近は副業OKの職場も増えています。まとまった借金があり、返済に悩んでいる人にとって、週末バイトは早期返済の手段のひとつになりうるはず。検討してみる余地は十分にありそうですね。
<TEXT/トシタカマサ>